デイリー・アップデート

2022年3月16日 (水)

[ドイツ] 欧州経済研究センター(ZEW)が発表した3月のドイツ景気期待指数は▲39.3となり、2月の+57.3から急落した。同調査を開始した1991年12月以降で最大の下落幅となった。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、景気の先行きについて「改善」から「悪化」へ見方が大きく修正されたため。また、物価上昇率についても、エネルギー価格の上昇などを受けて、「上昇」という見方が一気に強まった。ドイツ経済に悪影響が波及し、景気後退の可能性が高まっている。

[中国] 3月15日に国家統計局が発表した1~2月の主要経済指標は総じて好調だった。特に鉱工業生産は前年同期比+7.5%と、2021年7月以降最大の伸びを記録。固定資産投資が同+12.2%と伸びたことに加え、北京冬季オリンピックや春節(旧正月)連休に消費需要が高まり小売売上高の伸び幅が同+6.7%と2021年8月以降の最大となった。3月以降に関しては新型コロナウイルスの感染拡大が一部地域に悪影響を与えるとみられる一方、ロシア・ウクライナ情勢による直接的な影響は限定的になるとみられる。

[トルクメニスタン] 3月12日、中央アジア・トルクメニスタンで大統領選の投票が行われた。9人が出馬したが、現職のベルドイムハメドフ大統領の息子セルダル副首相(40)が72.97%を得票して当選した。中央アジアの旧ソ連構成国では初の権力世襲となる。2006年から独裁を続けてきたベルドイムハメドフ大統領は2月、「若い指導者」への禅譲を表明し、急きょ大統領選実施が決まった。投票率は97%。

[中国/サウジアラビア] サウジアラビアは、中国の習近平国家主席をリヤドに招待し、中国と関係を深めようとしているとWSJ紙(3月14日付)が報じている。記事によれば、訪問は4月初旬に始まるラマダンの後に行われる見込みで、習近平氏にとっては新型コロナ感染拡大以降、初めての外遊になる可能性がある。また、15日付同紙は、サウジが中国への石油販売の一部を人民元建てにする交渉を中国と行っているとも報じている。人民元建ての石油契約をめぐる話し合いは6年前から断続的に行われてきたが、今年に入ってから交渉が加速しているという。

[マレーシア] 3月12日、ジョホール州議会(定数56)の選挙が実施され、国政の与党連合・国民戦線(BN)が40議席を獲得し圧勝した。BNおよびBNと連携する政党連合は、2021年11月のマラッカ州、12月のサラワク州の選挙でも勝利している。次期総選挙は2023年までに行われる予定だが、与党連合内で早期総選挙の機運が高まり、年内に解散・総選挙となる可能性がある。

[米国] 3月14日、ペロシ下院議長とシューマー民主党上院院内総務は、ウクライナのゼレンスキー大統領に、米議会の上下院に対してバーチャル演説を行うよう要請し、同演説は日本時間の3月16日午後11時から実施される予定。ゼレンスキー大統領はバーチャル演説の中で、バイデン政権やNATOがこれまで拒否しているウクライナ上空での飛行禁止区域の設定や戦闘機の対ウクライナ供与を改めて求めることが確実視されており、バイデン政権に対する政治圧力が高まることになる。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

20人が「いいね!」と言っています。