デイリー・アップデート

2022年3月31日 (木)

[ベトナム] 3月29日、2022年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.03%と発表された。前期(+5.22%)から鈍化したが、ほぼ同水準を維持した。工業・建設業(GDP全体の51%を占める)は同+6.38%と好調。特に製造業が同+7.79%と高い伸びを維持。輸出は+12.9%と大幅に増加。政府は2022年の実質GDP成長率目標を+6.0~+6.5%としている。

[サウジアラビア/イエメン] 3月29日、サウジ主導連合軍は30日午前6時からイエメンでの軍事行動を停止すると発表した。4月初旬からイスラム教の断食月であるラマダンの開始をきっかけに、国連が打診していた停戦案に応じたもの。これに先立つ26日には、イエメンの反政府武装勢力フーシ派も3日間の停戦を一方的に発表しており、サウジ側が空爆を停止しイエメンに対する包囲を解けば停戦を継続するとしていた。ただ、GCC(湾岸協力会議)がサウジで主催する和平交渉に関しては、敵国での交渉には応じないとしてフーシ派は出席を拒否した。

[米/ロ] ロシア体制内でプーチン大統領に反発する人物に対してはますます厳しい措置を講ずる姿勢を同大統領が示すようになる中、ウクライナでのロシア軍の苦戦や対ロ経済制裁のロシア経済への影響について真実を報告することを恐れてプーチン大統領の上級顧問らは正確な報告を行わなくなっているとの見方を米国政府高官らが示している。3月30日、ホワイトハウスのべディングフィールド広報部長は、記者団に対してそうした見解を表明。

[インドネシア] 3月28日、政府は、4月1日から予定していた炭素税の導入開始を延期すると明らかにした。炭素税導入へ向けたロードマップがまだ完成してないこと、増税による消費の冷え込みへの影響を考慮し導入は7月ごろを予定しているという。一方、付加価値税(VAT)の11%への引き上げ(現行の税率は10%)については、予定通り4月1日から実施する。

[ドイツ] ドイツ連邦統計庁によると、3月の消費者物価指数(HICP)は前年同月比+7.6%となり、2月の+5.5%から伸び率を拡大させ、約40年ぶりの高い伸び率となった。内訳をみると、財価格が+12.3%、サービス価格が+2.8%と上昇。特にエネルギー価格が+39.5%となり、2月の+22.5%から加速した。ユーロ圏内では物価上昇を背景に、年内利上げ開始に加えて、年内のゼロ金利脱却など、金融引き締め方向の意見が増えつつある。

[中国] 3月30日付の「第一財経」は、中国指数研究院などのデータから、3月の住宅市場は、前年同月比での減少幅が拡大した一方、一線・二線都市では明らかに回復しており、業界では市場全体の回復は時間の問題で、融資資金の注入により購入者の信頼感はさらに改善されるとの期待が広がっていると報じた。前月比の住宅成約面積は、3月26日現在、一線都市では上海市が感染症の拡大で減少したものの、北京+80.4%、広州+34%、深圳+26%、二線都市では、蘇州+67.4%、武漢+51.2%だった。二線都市の南京▲20%超、三線都市の連雲港▲69.9%、韶関▲26.7%など、都市ごとに回復度合いの違いが見られる。

[中国/ロシア] 3月30日、王毅外相は第3回アフガニスタン隣国外相会議に出席するため中国を訪れたロシアのラブロフ外相と会談を行った。王氏は「中ロ関係は国際的な激動という新たな試練に耐え、…強靭な発展の勢いを示している」と述べ、ウクライナ情勢については「複雑な歴史と経緯があり、長期にわたって蓄積されたヨーロッパの安全保障矛盾が爆発したものでもあり、冷戦思考と集団対抗がもたらした結果でもある。…ロシアおよび各方面が大規模な人道危機を防止するために行った努力を支持する」とロシアを支持する姿勢を示した。

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