デイリー・アップデート

2022年3月8日 (火)

[トルコ/ロシア/ウクライナ] トルコの外相が、3月10日にトルコ南部アンタルヤでロシアのラブロフ外相およびウクライナのクレバ外相との3者会談を行うことを発表した。2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、両国の外相が直接対面する初めての機会となり、トルコの外相は会談が「平和と安定につながることを望む」と発表。トルコはNATO加盟国であり、黒海を挟んでロシアおよびウクライナと国境を接する隣国。これまで両国と良好な関係を築いており、今回のロシアによるウクライナ侵攻を非難、対話の仲介を申し出ていた。

[中国] 3月7日、税関総署は2022年1~2月の貿易統計(速報値)を発表した。輸出額は、前年同期比+16.3%の5,447億250万ドルと伸び幅は鈍化傾向にあるものの、前年同期がコロナ禍の影響が減退したため6割増加していたことを踏まえると、堅調だったといえる。品目別では、自動車やレアアース(希土類)の伸びが目立った。国・地域別で最も伸びが大きかったのは、EU向けで+24.2%の913億7,850万ドルだった。最大輸出先である米国向けは+13.8%の915億4,410万ドルだった。

[日本] 財務省『国際収支統計』によると、1月の経常収支は▲1兆1,887億円の赤字となった。経常赤字は2か月連続。貿易収支が▲1兆6,043億円となり、赤字を拡大させたことが主因。中国の春節休暇の影響や、エネルギー価格上昇の影響を受けた。サービス収支は▲7,379億円と前年同月から赤字幅を拡大させた。第一次所得収支は1兆2,890億円の黒字を維持した。足元のエネルギー価格の上昇を踏まえると、今後も経常赤字が継続する可能性がある。

[中国] 3月7日、国家発展改革委員会は「主要経済国の金融政策の転換、地域紛争の激化などの影響で国際的なコモディティ価格が急騰し、輸入インフレ圧力が高まっているが、政府活動報告で定められたCPI 3%前後の年度目標は達成可能だ」と述べた。背景として、中国経済の強靭さ、市場の大きさ、政策ツールの豊富さ、主食用作物生産の安定性、豚肉の十分な生産能力、工・農業製品とサービスの十分な供給能力を挙げた。原油・天然ガス価格についても市場の影響は不可避だが、供給の多元化・長期契約などにより影響は制御可能との判断を示した。

[中国] 全国人民代表大会(全人代)で、政府は気候変動対策の新たな目標を設定することは断念し、成長を支えるために2025年に設定されている目標の達成について、より柔軟性をもたせるとした。李克強首相は、石油・ガス・石炭の掘削・採掘を強化し、国家備蓄を充実させるなど、食糧とエネルギーの安全保障を確保する必要性を強調した。内モンゴル自治区の会議に出席した習近平国家主席は「カーボンニュートラルの仕事を積極的かつ穏当に推進」し、「安定しつつ前進を求め、徐々に実現することを堅持」するよう指示した。

[ロシア] 露政府は3月7日、ロシアに対して「非友好的な国家・地域」のリストを承認した。リストには米国や欧州連合(EU)などとともに、日本も含まれた。ウクライナ侵攻を受けた対ロシア制裁への対抗措置とみられる。発表によると、非友好的な国・地域の債権者に対しては、ロシア政府や企業、国民はロシア通貨ルーブルで債務を支払うことが可能になるという。

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