デイリー・アップデート

2022年3月23日 (水)

[米国] 2016年の共和党大統領候補指名獲得争い以降、共和党内でトランプ前大統領の影響力が増大し、外交政策でもポピュリスト的かつ孤立主義的「米国第一主義」アプローチに対する支持が広がっていた。だが、ロシアのウクライナ侵攻後、共和党議員や共和党支持者の間からトランプ前大統領が訴える外交アプローチから離反する動きが鮮明になっており、共和党内でも対ロシア追加経済制裁の強化、ウクライナ支援を支持する動きが圧倒的となっている。

[インド] 3月19日、商工省はロシアによるウクライナ侵攻から供給不安に陥り小麦価格が高騰しているエジプトに対し、小麦の輸出を検討する協議を開始したと発表。ロシアとウクライナは世界の小麦輸出で3分の1近くを占めており、エジプトは最大規模の輸出先。小麦生産で世界2位のインドはインド国内やスリランカなどの近隣国向けの需要が大半を占めているが、トルコや中国、スーダン、ナイジェリア、イランなどとも小麦輸出に関する協議を進めている。

[中国] 中国に輸入されたファイザー製新型コロナウイルス経口治療薬「パクスロビド」の第1陣が3月20日、長春市に向けて輸送され、中国での使用が開始されることになった。先月、中国国家薬品監督管理局は、パクスロビドの輸入登録を条件付きで承認し、成人の進行性疾患の治療薬として使用することを認めていた。3月9日に、通用技術中国医薬健康産業が中国大陸での同薬の商業運営に関する契約を締結し、3月17日にまず21,200箱が輸入された。

[エジプト/イスラエル/UAE] エジプトのシシ大統領、イスラエルのベネット首相、UAEのムハンマド・アブダビ皇太子がシャルム・アッシェイクで史上初となる同3か国首脳による3者会談を実施し、エネルギー市場や食料安定供給について会談した。イスラエルとエジプトは1979年に和平条約を締結したものの国民レベルでの緊張は続いており、両国関係は「冷たい平和」と呼ばれている。一方UAEは、2020年9月にイスラエルとの国交正常化合意に署名し、経済や観光、技術・安全保障協力などさまざまなレベルでの交流が急速に進んでいる。

[中国] 3月22日、国家発展改革委員会と国家エネルギー局は「第14次5か年計画における現代エネルギー体制計画」を公表した。国家エネルギー局は、世界のトレンドに沿って、エネルギー供給保障、グリーン・低排出、産業のサプライチェーン現代化の三方面からエネルギー体制の構築を図るなどと説明。計画では、2025年までに、◇国内のエネルギー年間総合生産能力:標準炭換算46億トン以上 ◇原油年間生産量:2億トン水準に回復・安定 ◇天然ガス年間生産量:2,300億m3以上 ◇発電設備の総容量:約30億kw、などの目標を提示した。

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