デイリー・アップデート

2022年3月30日 (水)

[米国] バイデン大統領は欧州外遊の最終訪問先ポーランドの首都ワルシャワで行った演説の最後に「プーチン大統領が権力の座に居続けることはできない」と発言し、これがロシアの「体制転換」を求めているとの指摘を国内外から受けて、ホワイトハウスやバイデン大統領自身も釈明に追われている。野党・共和党からも、ロシアのウクライナ侵攻に関する米国外交政策についてのバイデン大統領の立場に混乱をもたらす事例であり、「米軍最高司令官としての資質の点でも問題がある」との指摘や、「プーチン氏の術中にはまる」との批判が出ている。

[ウクライナ/ロシア] 3月29日、ウクライナとロシアの交渉団は、トルコのイスタンブールで対面形式の停戦協議を実施。ウクライナは「中立化」に関して具体的な提案を行った。これを受け入れるかどうかはロシアのプーチン大統領の判断に委ねられる。同日、ロシア国防省は首都キエフなどでの「軍事活動を縮小する」と発表した。

[中国] 3月28日、上海市は防疫措置と企業支援に関する政策措置を発表し、その中には外国製の新型コロナウイルスワクチンと治療薬の輸入を支援する方針が含まれていた。これまで中国国内では外国製ワクチンの使用は認められておらず、中国政府も製薬会社も公表していないものの、中国製ワクチンの変異株に対する有効性は低いとみられていた。ファイザー・ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンの独占販売権をもつ復星医薬集団の株価は、29日、8.3%上昇した。

[イスラエル] 3月29日、テルアビブ近郊のブネイ・ブラクという超正統派ユダヤ教徒が住む町で、パレスチナ自治区西岸地区出身のアラブ人が無差別に銃を発砲し5人が亡くなった。犯人はその場で射殺された。イスラエルでは先週22日および27日にも別の町で銃撃事件が発生しており、同様の事件の発生は過去1週間で3度目。過去2件の事件に関しては、イスラム国が犯行声明を出していた。イスラエルのベネット首相は「アラブ人によるテロに立ち向かう」と発言。イスラム教徒の宗教心の高まるラマダンが今週末から始まることの影響とみられる。

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