デイリー・アップデート

2022年10月11日 (火)

[米国] 中間選挙の上院議員選挙は民主、共和両党の激戦となっているが、中間選挙の帰趨を決するとみられている南部ジョージア州選出の共和党上院議員候補であるウォーカー候補を巡り、13年前の2009年当時付き合っていたガールフレンドに人工妊娠中絶をさせていた疑惑が浮上している。ジョージア州のダンカン副知事(共和党)はウォーカー候補を同党のジョージア州選出上院議員候補に擁立したことを批判する寄稿をCNNに行うなど、党内に不協和音が発生している。

[ロシア/ウクライナ] ロシア本土と同国が2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島を結ぶ橋で10月8日に爆発が発生し、橋の一部が崩落した。9日、プーチン大統領は、重大事件を扱う連邦捜査委員会のバストルイキン委員長から報告を受け、本件は「ウクライナの情報機関によるテロ行為である」との認識を示した。10日、ロシア軍は報復措置として、首都キーウをはじめウクライナ各地に向けて大規模なミサイル攻撃を実施し、合わせて11人が死亡したほか、インフラ施設が被害を受けた。

[中国] 国慶節の連休の後、新型コロナウイルス感染者数が増えており、中国各地で部分的ロックダウンや移動制限が実施されている。広東省韶関市では、強い感染力をもつオミクロン変異株「BA5.1.7」が中国大陸で初めて検出された。「人民日報」(10月10日付)は、「現在の感染予防と抑制政策に対する自信と忍耐を強めよ」という論説を掲載した。「『何もせず怠ける』ことに活路はなく、(ゼロコロナを)堅持すれば勝利」するとして、ゼロコロナ政策を堅持しなければならないとしている。党大会後、多少の調整はあっても、中国のゼロコロナ政策は当面維持されそうだ。

[ロシア/UAE] 10月11日にUAEのムハンマド・ビン・ザーイド大統領がモスクワを訪問しプーチン大統領と会談する予定であると、UAE国営放送が10月10日に発表した。ウクライナ問題やエネルギー問題、二国間関係や地域の問題に関する協議が行われる予定という。ロシアとUAEやサウジアラビアなどは、先週のOPECプラスの会合で2020年以来の大幅減産となる日量200万バレルの協調減産に合意したが、中間選挙前にエネルギー価格の低下を望み増産を期待していたバイデン政権はこの合意に対して反発を示している。

[日本] 財務省『国際収支統計』によると、8月の経常収支は589億円の黒字となり、8月単月として比較可能な1996年以降で最少となった。その主因は、貿易赤字が2兆4,906億円と過去最大を記録したことだ。資源エネルギー価格の上昇や円安・ドル高などから輸入価格が上昇している。一方、第一次所得収支は3兆3,271億円と、前年同月比+46.8%と増加した。単月として最大になった。円安の効果もあり、海外子会社からの配当など直接投資収益が増加した。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

20人が「いいね!」と言っています。