デイリー・アップデート

2022年10月14日 (金)

[米国] 労働省によると、9月の消費者物価指数は前年同月比+8.2%となった。直近ピークの6月の+9.1%から伸び幅は縮小しているものの、9月の数値は市場予想を上回った。また、食料品とエネルギーを除く、いわゆるコア指数は+6.6%となり、8月の+6.3%から伸び幅が拡大した。食料品やエネルギー以外の商品やサービスでも価格上昇が顕著になり、物価上昇のすそ野の広がりが確認できる。これらを踏まえて、市場ではFOMC11月会合での75bp利上げがすでに織り込まれているもよう。

[中国] 10月10日から3日間にわたり、「人民日報」はゼロコロナ政策の堅持を説く論評を掲載し、第20回党大会が終わっても、中国の防疫政策の変更はすぐには起こらないことを人々に予感させたが、13日の記者会見で、来年3月の両会(全人代と政治協商会議)以降にゼロコロナ政策が緩和される可能性についてコメントを求められた梁万年氏(国家衛生健康委員会感染症対応処置業務指導グループ専門家グループ長)は、「科学的に明確に定義することは不可能」と述べ、ゼロコロナ緩和のスケジュールは決まっていないことを示した。

[米国/サウジアラビア] 10月5日のOPECプラス閣僚級会合で11月からの日量200万バレルの協調減産を決めたことで、米政府はOPECプラスの主導的立場にあるサウジアラビアに対する批判を強めているが、それに対しサウジ外務省は声明を発表し、減産の決断は石油市場の安定や経済的理由によってメンバー諸国が全会一致で出した決断であって、ある一国が一方的に出した決断ではないと反論。また、米政府から減産を1か月先延ばしてほしいとの提案を受けたことを明らかにした上で、そのような決断は経済に悪影響を及ぼすと説明した。

[中国] 10月14日、国家統計局が発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.8%と、8月の同+2.5%から伸びが加速。2020年4月以来で最大の伸び幅となった。しかしこの上昇は一時的な食料価格、特に豚肉(同+36%)の高騰による影響の結果であり、コアインフレ指数や生産者物価指数(PPI)(前年同月比+0.9%、8月は同+2.3%だった)はむしろ下落している。

[ロシア] 10月12~13日、中央アジア・カザフスタンの首都アスタナで、アジアと周辺地域の安全保障問題を協議する「アジア相互信頼醸成措置会議(CICA)」の第6回首脳会議が開催された。ロシアのプーチン大統領は13日、アジア諸国の首脳らに向けた演説で、より公平な世界を確立するためにロシア政府が西側と戦っているとの主張を繰り広げた。ロシアは軍事的勢いが衰えているとみられる中、このような主張を一段と強めてきている。

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