デイリー・アップデート

2022年10月12日 (水)

[レバノン/イスラエル] 10月11日、レバノンとイスラエルが海上の境界画定に向けた合意に至った。両国の間には外交関係が無く(レバノンは1948年のイスラエル建国を認めていない)、本件に関わる交渉は2020年以来米国が仲介してきた。両国の海上国境地帯にはガス田が存在しており、境界が最終的に画定すれば同海域のガス田開発が進むことが予想される。イスラエルにとっては安全保障面でも大きな意味のある合意であり、また、未曽有の経済危機に苦しむレバノンにとっても、海洋ガス田開発には大きな期待がかかる。

[米国/ロシア/ウクライナ] ロシアが2014年3月にロシア領に編入したクリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア橋が10月8日に爆破される事件が発生したが、プーチン大統領はウクライナに対する報復措置としてウクライナ全土を標的にした巡航ミサイルやドローンによる無差別ミサイル攻撃を指示し、ウクライナの一般国民の間に多数の死傷者が発生している。バイデン米政権やショルツ独政権はウクライナに対して防空システムを供与するなど対ウクライナ軍事支援を強化している。

[日本] 内閣府『機械受注統計』によると、設備投資の先行指標とされる民需(除く船舶・電力)の受注額は前月比▲5.8%となり、3か月ぶりのマイナスだった。内訳をみると、製造業が+10.2%と2か月ぶりに増加した一方で、非製造業(除く船舶・電力)が▲21.4%と減少した影響が大きかった。7~9月期の見通しは前期比▲1.8%と2か月ぶりに減少する。ただし、基調判断は「持ち直しの動きがみられる」であり、基調はまだ崩れていないようだ。

[ベラルーシ/ロシア] 10月10日、ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ロシアのウクライナ侵攻を背景とした北大西洋条約機構(NATO)との緊張に鑑み、ロシアと合同の地域部隊を展開することで合意したと明らかにした。ルカシェンコ氏は「非公式チャンネルで、ウクライナ領からベラルーシに対する攻撃があるという警告を受けた」と主張。「クリミア橋の爆発を再現する」という内容だったとして、対応の必要性を訴えた。

[マレーシア] 10月10日、イスマイルサブリ首相が連邦議会下院の解散を発表した。60日以内に総選挙が実施される。11月初旬から中旬になると予想されている。UMNOを中心とする与党連合(BN)は直近の州議会選で連勝しており、経済も回復に向かい、野党側は結束が弱いことから、選挙ではBNが優勢と予想される。ただし過半数は獲得できない可能性がある。

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