デイリー・アップデート

2022年10月27日 (木)

[中国] 中国の鋼材輸出は、5月の776万トンをピークに月を追うごとに減少し、9月は498.4万トン、前月比19%減、前年同月比では1.3%の微増にとどまり、5月以降最低の水準だった。1~9月累計では5,120.9万トンと前年同期比3.4%減少している。8月は韓国・アセアン向け鋼材輸出量が前月比27%減少、熱延コイル、中厚板などの価格も下落した。世界的な鋼材需要減退の影響が徐々に表れはじめているもようだが、石油・ガスパイプライン、造船、太陽光・風力発電関連の鋼材製品の輸出は依然として好調だという。10月26日付の「財新網」が伝えた。

[韓国] 10月27日、韓国銀行(中央銀行)は第3四半期の実質GDP成長率(速報値、季節調整済み)が前期比+0.3%だったと発表した。9四半期連続でプラスとなったが、伸びは1年ぶりの低水準に鈍化した。個人消費や電気自動車(EV)の設備投資が伸びた一方、純輸出(輸出-輸入)がマイナスとなり実質GDP成長率を1.8%pt押し下げた。輸出金額全体の2割を占める半導体市況の悪化に伴い輸出が同+1.0%と低水準の伸びにとどまった一方、資源価格の高騰とウォン安によって輸入が急増したため。

[ブラジル] 金融政策決定委員会は、2会合連続で政策金利を据え置き13.75%とした。今回は委員全会一致となり、また市場のコンセンサスとも一致した決定になった。データ上経済成長の減速が示唆され始めているが、世界的な成長見通しが下方修正される中、外部環境は依然厳しく不安定であるとして、金融環境のタイト化を警戒している。

[ロシア] 10月26日、ロシア軍はプーチン大統領の監督の下、戦略核演習を実施した。ロシア北西部のプレセツク宇宙基地からICBM「ヤルス」を発射したほか、潜水艦からの弾道ミサイル(SLBM)発射演習や、長距離爆撃機からの巡航ミサイルの発射演習も実施した。同演習は今年2回目となり、17日から核抑止演習を開始した北大西洋条約機構(NATO)に対抗する狙いもあるもよう。

[イラン] 10月26日夕刻、南部シラーズにある有名なシーア派寺院において3人の武装した男による無差別の銃乱射事件があり、少なくとも15人が死亡(女性1人、子供3人を含む)、40人以上が負傷した。ちょうど日没のお祈りの時間で、寺院には多くの人が集まっていた。実行犯3人のうち2人は逮捕され、1人は逃走中。現地メディアは、犯人はイラン人ではないと報道している。スンナ派過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出し、ライーシ大統領は「暴力とテロに対しては断固とした対応を取る」との声明を出した。

[米国] 11月8日に投票が行われる中間選挙は共和党優勢の展開となっているが、中間選挙後の年明けには共和党大統領候補指名獲得争いを巡る動きが顕在化し、同党の有力者が相次いで出馬表明を行うことが予想される。トランプ前大統領が3度目のホワイトハウスに挑戦するか否かが注目されるが、最近、ライアン元下院議長、ペンス前副大統領、ブッシュ元フロリダ州知事ら共和党有力者からはトランプ氏の再出馬に対する否定的見解が表明されている。

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