デイリー・アップデート

2022年10月17日 (月)

[イラク] 2021年10月に議会選挙が実施されて以来、過去1年間にわたって政治混乱のため政権が樹立できない状態が続いていたが、10月13日の議会でようやくラシード新大統領が任命された。同大統領は、イランに近い議員連合からの支持を受けたスーダーニ氏を新首相に指名。同氏が30日以内に閣僚名簿を議会に提出し、議会の承認が得られればスーダーニ新政権の誕生となる。ただ、敵対するサドル師支持派は、スーダーニ政権への不支持を表明しており、今後も妨害行為が発生する可能性が指摘されている。

[米国/ロシア/ウクライナ] 国連総会臨時特別会合でウクライナ4州をロシア領に一方的に編入しようとするロシアの試みを非難する決議案が採択され、ウクライナ政府軍は東部・南部で反転攻勢を続けている一方、ロシア国内では部分的動員令に対する反発や不安が高まっている。プーチン大統領のロシア内外での立場が弱体化しているとみられる中、マクファウル元駐ロシア米国大使はプーチン氏が核兵器を実際に使用した場合、国際的にさらに孤立する可能性についてワシントン・ポスト紙に寄稿した。

[米国] 商務省によると、9月の小売売上高は前月から横ばいとなった。8月の+0.4%から減速、市場予想を下回った。7月は▲0.4%であり、ここ数か月をならしてみると、おおむね横ばい圏の動きになっている。金利の上昇や物価高騰などから、高額商品が敬遠されるなど生活防衛の色彩が強まった。物価上昇を踏まえると、実質の小売売上高は前月から減少したとみられる。

[中央アジア/ロシア] 10月14日、中央アジアのカザフスタンで旧ソ連の独立国家共同体(CIS)首脳会議が開かれ、出席したロシアのプーチン大統領は、外交・経済面での連携など、統合の強化を訴えた。足下ではロシアのウクライナ侵攻を受けて、CIS各国にはロシアと距離を置く動きが目立っており、タジキスタンのラフモン大統領はロシアとの会議で、プーチン大統領に対して異例の発言をした。「中央アジア諸国を旧ソ連時代のように扱わないでほしい」と述べ、タジキスタンは属国扱いではない対等な国家関係を望んでいると表明した。

[中国] 10月16日、中国で中国共産党第20回全国代表大会が開幕し、習近平総書記が政治活動報告を行った。総じて、既に発表された目標や政策をまとめた内容で、新鮮な点はほとんどなかった。23日に新しい政治局常務委員らが発表される見込み。演説時間は1時間45分で5年前(第19回党大会)の3時間半より大幅に短縮した。25人の政治局員と元政治局常務委員らトップを除き、参加者はマスクを着用して出席した。海外メディアの取材関係者は、5年前の1,818名から900名に減少し、バブル方式の管理を受けている。

[シンガポール] 10月14日、2022年7~9月期(第2四半期)の実質GDP成長率(速報値)が前年同期比+4.4%、前期比+1.5%だったと発表された。前期(前年同期比+4.5%、前期比▲0.2%)から前期比はプラスに転じた。サービス業は堅調に拡大したが、製造業は大幅に伸びが鈍化した。2022年の成長率の見通しは+3.0-+4.0%。また、同日、シンガポール金融通貨庁(MAS)が為替レートの政策バンドの中央値を引き上げた。2021年10月、2022年1月、4月、7月に続く5回連続の金融引き締め。8月のCPI上昇率は前年同月比+7.5%、コアインフレ率は+5.1%と2013年9か月ぶりの高水準だった。2022年のCPI上昇率の見通しは+5.5~+6.5%、コアインフレ率の見通しは+3.5~+4.5%。

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