デイリー・アップデート

2023年3月2日 (木)

[ナイジェリア] 与党のティヌブ氏が、正式に次期ナイジェリア大統領として宣言された。現時点で得票率は37%と低いものの、選挙自体は大きな混乱もなく全体的に平和裏に行われたとされ、アフリカ連合などの国際的なオブザーバーにも結果は承認されている。ティヌブ氏はエネルギー改革を行うとみられるものの、財政規律の改革は緩やかなものになると予想されている。

[中国] 3月1日、中国国家統計局と中国物流購買連合会が発表した2月の製造業購買担当者指数(PMI)は52.6で、前月の50.1を上回り2か月連続で上昇した。10年10か月ぶりの高水準となる。同日、「財新伝媒」が発表した2月の同指数は、前月の49.2を上回り51.6だった。両数字ともに、景況判断の節目となる50を7か月ぶりに上回った。2022年12月以降、経済再開が加速し、春節(旧正月)後の経済活動の回復が進んだ。官民で景況感が上向き傾向にあることが示された。

[日本] 財務省「四半期別法人企業統計調査」によると、2022年10~12月期の全産業(金融・保険業を除く)の経常利益は前年同期比▲2.8%と8四半期ぶりのマイナスだった。製造業が同▲15.7だった一方で、非製造業は同+5.2%とプラスを維持した。製造業では原材料高などから化学や石油・石炭製品の減益の影響が大きかったのに対して、輸送用機械や生産用機械では増加した。設備投資は同+7.7%と、デジタル化や省力化、脱炭素化などを中心に7四半期連続で増加した。

[中国/ベラルーシ] 3月1日、習近平国家主席は、中国を訪問中のベラルーシのルカシェンコ大統領と人民大会堂で会談した。習氏は、中国とベラルーシの関係が2022年9月に「全天候型戦略的協力パートナーシップ」に引き上げられたことを称賛し、二国間の協力を強調した。ルカシェンコ大統領は、中国が発表したウクライナ問題に関する文書(「中国の立場」)に完全に賛成し支持すると表明した。中国にとっては、欧米からは評価されていない同文書についてルカシェンコ氏から支持を獲得し、ウクライナ問題について協議することが会談の主な目的とみられる。

[米国] 今年1月に召集された第118議会で、マッカーシー下院議長の主導で米議会として中国共産党の活動について調査を行う下院中国特別委員会が新設された。2月28日、4人の証人を招いて初めての公聴会が開催された。議員や証人から中国に対する厳しい批判が相次いだが、下院中国特別委員会のギャラガー委員長は、中国共産党により提起されているイデオロギー面、技術面、軍事面の脅威を調査、暴露していくとの活動方針について説明した。

[米/中央アジア] 3月1日、ブリンケン米国務長官はウズベキスタンの首都タシケントでサイドフ外相代行と会談し、関係強化に向けて協議した。ブリンケン氏は同会談前の2月28日、訪問先のカザフスタンの首都アスタナで、中央アジアの旧ソ連構成国5カ国外相らとも会談していた。ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、米国は地政学的な観点から、旧ソ連圏の中央アジア5カ国を注視している。

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