デイリー・アップデート

2023年3月31日 (金)

[ブラジル] ボルソナロ前大統領は大統領在任中の昨年12月30日にブラジルを離れ、滞在先の米フロリダ州に滞在していたが、3月30日に3か月ぶりに帰国した。ボルソナロ支持者らによる1月8日の大統領府、連邦議会、連邦最高裁を標的とした襲撃事件で、同氏は捜査対象とされており、今後事情聴取が行われるのは確実である。ブラジル世論が分裂する中、同氏の帰国でブラジルのリスクや不透明性が高まる可能性がある。

[タイ] 3月29日、中央銀行は政策金利(翌日物レポ金利)を25bps引き上げ1.75%とした。3月29日より実施。5会合連続の利上げとなり、インフレ抑制を重視した。2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+3.8%。ピークだった2022年8月の同+7.9%から減速している。食品とエネルギー価格が今後さらに下落するとみられる。中銀のインフレ目標は+2～+4%、2023年の実質GDP成長率見通しは、前年比+3.6%となっている。

[日本] 経済産業省によると、2月の小売業販売額は前月比+1.4%と3か月連続で増加した。小売店の販売動向から、人々が動き、日常生活が戻り始めている様子が確認できる。また、2月の鉱工業生産指数は前月比+4.5%と、2か月ぶりのプラスになった。2022年末から2023年1月にかけて減産傾向が続いており、生産活動は弱含んでいる。また総務省によると、2月の完全失業率は上昇したものの、2.6%と低位を維持しており、雇用環境は底堅く推移しているようだ。

[台湾] 3月21日、米国は半導体補助金を受給する企業に対し、中国などの懸念国において、先端分野、汎用分野での生産能力をそれぞれ10%、5%を超える新増設につき制限をする。台湾TSMCは米国で最先端の4nm(ナノメートル)を生産する計画で、400億ドルを投資する見込み。米国では過去最大級の海外からの投資となる。30日、台湾TSMCの劉徳音董事長が、「今回の制限につき、米国政府と議論しなければならない。台湾企業にマイナスの影響を受けないよう調整したい」と述べている。

[中国] 3月28日、中国企業BYDは、2022年の決算を発表した。売上高は日本円換算で8.2兆円、前年比+96.2%、純利益は3,200億円、前年比4.5倍となっている。同年の中国新エネ乗用車販売台数567万台に占めるシェアは32%で、2023年の販売台数目標は300万～360万台としている。2022年の粗利益率は20%・前年比+3ptである一方、米テスラは28.5%でBYDを上回っている。BYDは2020年より半導体事業の上場を目指しているが、2022年に4回目のIPO申請取り下げの事態となっているものの、王董事長は「半導体事業の上場目標は変わらず継続する」と述べている。

[ロシア] 3月30日、ロシア連邦保安局(FSB)は、米国の有力紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)モスクワ支局の米国籍の記者をスパイ容疑で拘束したと発表した。FSBは、記者が「ロシアの軍需産業に関する国家機密を収集していた」と発表。中部エカテリンブルクで拘束したと説明した。

[中国] 3月30日、中国国防部の譚克非報道官は、中ロ首脳会談のコンセンサスを履行し、中国軍とロシア軍の協力を強化していくと発言した。定期的な海上・航空合同パトロールや合同演習・訓練を実施し、既存のメカニズムを含む両軍の各種交流・協力を強化するとしている。中ロ軍共同の軍事活動は、日本周辺の航行のみならず、南アフリカを交えての南ア近郊インド洋での海上軍事演習(2月)、イランを交えてのオマーン湾での合同軍事演習(3月)など、合同軍事活動の範囲を広げている。

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