デイリー・アップデート

2023年3月14日 (火)

[米国] NY連銀の「消費者期待調査」によると、2023年2月の1年先の期待インフレ率(中央値)は4.2%となり、1月の5%から低下した。直近ピークの2022年6月(6.8%)から緩やかに低下、2021年7月以来の低水準になった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大前は3%前後であったため、依然として高めである。一方で、3年先の期待インフレ率は2.7%と前月から横ばい、2019年平均(2.6%)におおむね戻っている。中期の期待インフレ率は落ち着いており、短期の期待インフレ率は足元の物価に歩調を合わせている。

[米国] バイデン政権は、長期化しつつあるロシアの対ウクライナ侵攻を阻止する一環として、最近、ロシアの新興財閥「オルガルヒ」を「制裁逃れ」などにより支えている「オルガルヒ」周辺の勢力を標的とした取り組みの強化を図りつつある。米ダートマス大学の研究者らが今年2月に実施した調査結果でも、個々の「オルガルヒ」を標的として対ロシア追加制裁を発動するよりも、「オルガルヒ」周辺を標的とした方がはるかに大きな打撃を与えられることが判明している。

[インドネシア] 3月6日、政府は電気自動車(EV)普及促進のため、EVや電動バイクの新車購入、ガソリンバイクから電動バイクへの改造に補助金を支給する方針を正式に発表した。3月20日からの適用となる。国内で生産された車両で、年末までに電動バイク20万台、改造バイク5万台、EV3万9,500台を対象とする。国内でニッケルやコバルトといったEV電池生産に必要な資源が豊富であるため、自然な流れでの方針である。普及率が高い電動バイクへの改造に対する補助金額は、短期的に最も普及しやすいとみられる。

[ロシア] 3月16日、プーチン大統領はロシア国内の資産家や大手企業経営者たちとの会合を行う予定である。ウクライナ軍事侵攻によるロシアの大企業に及ぼす影響についての協議や財政赤字の拡大に伴う企業に対する増税などが議題とみられる。

[中国/ロシア/ウクライナ] 3月13日、ロイターは中国の習近平国家主席が、早ければ来週にもロシアを訪れ、プーチン大統領と会談する予定だと報じた。ロシア外務省は、2023年2月に習近平氏をロシアに招待したことを明らかにしていた。また同日、WSJ紙は習近平氏が訪ロ後に、ウクライナ戦争の開始以降初めて、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談する予定であると報じた。中国で新指導部が発足し、防疫のための渡航制限を解除する中で、習近平政権は米国主導の国際関係モデルに代わるものを提供できるという主張を現実にすべく積極的に動いている。

[中国] 3月13日、全人代閉幕後の記者会見における李強新総理による経済政策関連の発言要旨は以下の通り。2023年の成長目標5%前後は、総合的に検討した上で決定。成長、物価、雇用を安定させ、質の高い発展を目指す。中国には、巨大な市場、豊富な人的資源、良好な発展基盤などの優位性がある。「風に乗り、波を破り、前進すれば、未来は期待できるものとなる」と総括した。

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