デイリー・アップデート

2023年3月27日 (月)

[イスラエル] 3月26日、イスラエルのネタニヤフ首相は政府が進める司法制度改革を一旦停止するよう申し出たガラント国防相の更迭を発表した。この発表に反発したイスラエルの駐ニューヨーク総領事が辞任を発表。また、大規模な抗議行動も発生し、2大都市のテルアビブとエルサレムを結ぶ主要幹線道路が封鎖された。同改革は司法における政治の力を強めるものとして、多数の国民が反対し毎週のように大規模な抗議集会が開かれているが、ネタニヤフ首相は同改革を推し進める決意を緩めていない。

[ブラジル] ルーラ大統領は3月27日から31日までの5日間の日程で国賓として中国・北京を訪問し、3月28日は習国家主席とブラジル・中国首脳会談に臨み、20件以上の二国間協定に署名することになっていた。しかし、ルーラ大統領は訪中直前にインフルエンザによる肺炎を発症し、3月25日に訪中計画中止を発表した。ルーラ大統領はボルソナロ前政権下で悪化した中国との関係改善に強い意欲を示しており、数百人規模の代表団も引き連れての訪中が予定されていた。

[ホンジュラス/中国] 3月26日、ホンジュラスの左派カストロ政権は、国交があった台湾と断交し中国と国交を樹立した。カストロ大統領は2022年1月に就任したが、選挙戦の公約の1つとして、当選後は台湾と断交し中国との国交を樹立することを挙げていた。台湾の蔡英文政権が発足した2016年に台湾と国交のある国は22か国だったが、ホンジュラスとの断交で台湾との国交のある国は13か国にまで減ってしまった。ホンジュラス以外の断交した8か国も、いずれも中国との国交を結んだ。中南米では、パナマ、ドミニカ共和国、エルサルバドル、ニカラグアの4か国に次ぎ、ホンジュラスは5か国目となった。

[モザンビーク] 現職のニュシ大統領は、3期目を目指し憲法改正に向け動き出すとみられる。近年、与党モザンビーク解放戦線(フレリモ)においても党内の対立する議員を排除し、権力の一元化に成功してきている。憲法改正には国会議員の3分の2以上の賛成が必要となるが、現在与党は国会議席の71%を占めており、憲法改正の確度は高いとみられる。

[ロシア] 3月25日、プーチン大統領は国営テレビのインタビューで、同盟国ベラルーシへの戦術核兵器配備を決めたと明らかにした。戦術核兵器の保管施設は7月1日に完成すると強調した。ロシアが侵攻するウクライナに対する軍事支援を強化する米欧を、核による威嚇でけん制する狙い。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

20人が「いいね!」と言っています。
<  2023年3月  >
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31