デイリー・アップデート

2023年3月10日 (金)

[米国] 労働省によると、3月4日までの1週間の新規失業保険申請件数は21.1万件となり、前週から2.1万件増加した。8週ぶりに20万件を上回った。カリフォルニア州の悪天候やNY州学校職員の労働契約の改定などが、申請件数の増加につながったという指摘がある一方で、これまで相次いで発表されてきた人員削減の影響が出たという見方もある。底堅く推移してきた雇用環境が変化する兆しなのかを判断する上でも、今後の動向がますます注目される。

[南アフリカ] 2022年第4四半期のGDP成長率は前期比▲1.3%となり、市場予想を下回る結果となった。停電の常態化による影響が深刻化しており、2023年第1四半期もマイナス成長となれば、リセッション入りするおそれがある。S&Pも南アフリカの見通しを、「ポジティブ」から「安定的」に格下げしている。

[ロシア/トルコ] トルコの一部の物流・運送企業が、ロシアへの欧米制裁の対象となっている製品の並行輸入によるロシアへの通過を停止したと発表した。貨物トランジットの停止による貨物便と陸上輸送の予約キャンセルが相次いでいるという。年間 30 億ドルと推定されるトルコ経由の「制裁回避ルート」が閉ざされる可能性がある。

[米国/イラン/中国] 3月9日、米財務省外国資産管理局(OFAC)は、イランの無人航空機(UAV)調達活動を支援しているとして、中国企業などの5社と中国人1個人に対して制裁を発表した。ネルソン財務次官は「ロシアがウクライナでイラン製UAVを使用した結果、ウクライナの民間人が犠牲になって」おり、グローバルなイランの調達ネットワークを引き続きターゲットにしていくと述べた。2022年9月以降、米国はイラン製UAVの生産と移転に関与する個人や企業などの事業体の指定を6回行っている。

[中国/オランダ]  3月8日、オランダ政府の「先端半導体装置の輸出規制を新たに導入する」との表明を受け、3月9日、中国外交部の記者会見で関連する質疑応答があり、報道官より「中国とオランダ企業の正常な貿易を規制するため行政手段で介入したことへの不満」と表明があった。オランダの中国向け輸出継続に対する優位性喪失懸念については、「サプライチェーンの人為的な破壊は双方の利益にならない」と説明した。対抗措置に関する質問に対しては、具体的な回答はなかった。

[米国/ウクライナ] 3月7日、ゼレンスキー大統領は米CNNのインタビューの中で、米国大統領継承順位第2位の立場にあるマッカーシー下院議長に対して、ウクライナを訪問して同国の状況を直接見るよう要請した。これに対しマッカーシー下院議長は、ブリーフィングや他の方法でウクライナ情勢を把握できており、同国を訪問する必要はないとして、ゼレンスキー大統領の訪問要請を拒否した。トランプ前大統領に近い共和党下院議員らは、対ウクライナ支援の継続に反対している。

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