デイリー・アップデート

2023年3月23日 (木)

[アジア大洋州] 3月22日、国連は「アジア太平洋SDGs進捗報告書2023」を発表した。同報告書では、現時点までで、アジア大洋州地域の2030年までのSDGs目標は、14.4%しか達成されていないと強調。同地域の途上国ではSDGs達成に向け相当尽力する必要があると言及している。また同地域では、ゴール7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」とゴール9「産業と技術革新基盤をつくろう」の進捗が最も進んでいると言及している。適切な統計データが十分にないため達成度を測りにくく、統計の整備が重要課題であるとも指摘している。

[チリ] 2022年第4四半期のチリのGDP成長率は前期比+0.1%となり、3四半期ぶりにプラスとはなったものの予想を下回り、また前年同期比では▲2.3%と急激に成長が鈍化していることが確認された。中国がゼロコロナ政策から脱却したことにより、銅価格(チリの輸出収入)の拡大は期待できるものの、高いインフレ率、新憲法にまつわる不確実性などから、2023年はマイナス成長になると考えられている。

[韓国] 米商務省高官が2月に、韓国半導体企業サムスン電子とSKハイニックスの中国工場を対象とし、一定の技術水準以上の製造を制限する発言をしていたが、3月21日、CHIPS・科学法の助成金支給プログラムに関する「ガードレール条項」の詳細を発表し、アップグレードと投資に対する規制を当初の予測より緩和した。韓国企業の投資を制限することにより競争力を失い、中国企業に代替され、結局は米国を脅かす結果につながる、との韓国政府の主張を米国が受け入れたといえる。

[タイ] 3月20日、プラユット首相の決定により、下院が解散した。選挙管理委員会は下院の総選挙の投開票日を5月14日にすると発表した。解散直前の3月19日に発表した世論調査によれば、野党タイ貢献党の支持率が小選挙区制と比例代表制いずれにおいても約50%に上り、次期首相の適任者としては同党のペートンタン氏(タクシン元首相の次女)が約38%と最大の支持を得ている。保守系の中ではプラユット首相が所属する新党「タイ団結国家建設党(UTN)」の支持率が最も高く、現与党の国民国家の力党の支持率は極めて低い。

[米国] 台湾の蔡英文総統は、3月29日に台湾を出発して中米ホンジュラス、ベリーズ両国を歴訪するとともに、乗り継ぎのためにニューヨークとロサンゼルスに滞在する予定である。バイデン政権の高官は、同政権が中国に対し、蔡総統の米国滞在中に、台湾海峡付近において緊張を高めるような行動を慎むよう警告していることを明らかにした。2022年8月にペロシ下院議長が訪台した際には、中国は台湾付近で大規模な軍事演習を実施している。

[ウクライナ] 3月21日、国際通貨基金(IMF)は、ウクライナに対し4年間で約156億ドル(約2兆円)を支援することで同国と事務レベルの合意に達したと発表した。支援プログラムにはIMF理事会の承認が必要で、数週間以内に理事会で協議される見通しである。

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