デイリー・アップデート

2023年3月28日 (火)

[ドイツ] Ifo経済研究所によると、3月の企業景況感指数(2015年=100)は93.3となり、2月の91.1から上昇した。上昇は5か月連続。足元の状況を表す現況指数は2月の93.9から3月の95.4へ上昇し、2022年8月以来の水準となった。また、先行きを表す期待指数は91.2となり、2月の88.4から上昇し、2022年2月以来の高水準となった。これまで期待先行で回復してきたものの、足元の状態も持ち直しつつある。

[米国] 米国は、長期化するウクライナ戦争における対ウクライナ軍事支援を継続しているが、大量の米国製の武器や兵器をウクライナに供与する中、米防衛産業の武器製造能力の脆弱性が明らかになっている。米中関係の緊張も高まる中、有力シンクタンクが2023年1月に実施した台湾有事シミュレーションでは、米中間で大規模戦争が勃発した場合、戦争勃発から約1週間以内で、米軍は重要な役割を担う兵器となる長距離対艦ミサイルが不足する事態に直面する可能性があることが判明した。

[フィリピン] 3月23日、中央銀行は金融政策決定会合で、政策金利(翌日物借入金利(RRP))を0.25%pt引き上げ、年6.25%に決定した。3月24日から適用された。利上げは2022年7月の緊急会合を含めると9会合連続となり、政策金利は約14年ぶりの高水準となった。インフレが歴史的な高水準にあるものの、欧米で発端となった金融不安が広がっていることを踏まえ、利上げ幅は前回の0.50%ptから縮小した。2023年のインフレ予測は+6.1%から+6.0%へと下方修正された。インフレターゲットは+2.0~+4.0%となっている。

[中国/欧州] スペインのサンチェス首相は、3月30日のボアオ・フォーラムに参加した後北京に赴き、習近平国家主席と会談する予定になっている。スペインは7月からEUの輪番制議長国を引き継ぐことになっており、サンチェス氏はウクライナ和平について中国の立場を知ることが重要で、またウクライナの領土保全が守られなければならないと伝えるとしている。来週にはマクロン仏大統領やフォンデアライエン欧州委員長も訪中する予定で、欧州側は中国に対し、ロシアに武器を提供しないよう説得するとみられている。

[イスラエル] 3月26日に、政府の進める司法制度改革を停止するよう要請したガラント国防相の更迭を発表したネタニヤフ首相に対する反発が強まり、労働総同盟(ヒスタドルート)もゼネストを発表した。改革に対する国民からの強い反発を受けて、3月27日、ネタニヤフ首相は同改革を1か月程度延期することを発表した。英米政府はこの発表を歓迎し、ヒスタドルートもゼネストの撤回を発表したが、デモの参加者は、一時停止ではなく撤回を求めるとして、デモを続ける意向を示している。

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