デイリー・アップデート

2023年3月16日 (木)

[南アフリカ] 1月の小売売上高は前年同月比▲0.7%となったが、市場予想の▲2.0%を大きく上回った。前月比では+1.5%となり、停電によるマイナスの影響は一服した可能性がある。これにより、テクニカルリセッション(2四半期連続のGDPのマイナス成長)は避けられそうだが、当面は停電の改善は見込めず、厳しい状況に変わりはないとみられる。

[中国] 3月16日、国家統計局は1~2月の主要経済指標を発表した。1~2月の小売売上高は前年同月比+3.5%と、2022年12月の同▲1.8%からプラスに転じた。2022年9月以来の増加となった。ゼロコロナ政策の撤廃により行動制限がない春節を迎え消費が活発だったことが要因とみられる。1~2月の鉱工業生産指数は、前年同月比+2.4%と、2022年12月の同+1.3%を上回った。同様にゼロコロナ政策の撤廃により労働者の出勤制限がなくなったことが増産につながった。1~2月の固定資産投資は前年同期比+5.5%となり、2022年通年(1~12月)の同+5.1%から拡大した。不動産投資は同▲5.7%となり、減少幅が過去最大となった2022年通年(同▲10.0%)から減少幅が縮小した。

[日本] 財務省「貿易統計」によると、2月の貿易収支は8,977億円の赤字になった。赤字は19か月連続。輸出は7兆6,547億円、前年比+6.5%と24か月連続で増加した。しかし、輸出数量は▲7.9%と5か月連続で減少しており、円安など価格効果によって金額が膨れており、実体としては数量の動きが鈍い状態が継続している。輸入は8兆5,524億円、同+8.3%と25か月連続で増加した。

[中国] 3月15日、中国人民銀行は最近開催した金融安定工作会議と同行党委員会拡大会議の内容を発表した。中国の金融管理体制の改革を進めながら、金融の安定とリスク解消を図ることが今年の重要任務であるとしている。中国の全体的な金融状況は安定しており、優れた格付けをもつ大手銀行は中国の金融システムを安定させる重しとなっており、金融リスクの早期発見・早期是正・早期処置を推進し、システミックリスクの発生を防ぐとしている。また闘争精神を強め、米国や西側の抑制や圧力に対応するとしている。

[ブラジル] ルーラ大統領は前回の大統領在任中の2004年と2009年の2度、中国を訪問しているが、3月28日から4日間の日程で北京を訪問し、習国家主席と首脳会談を行うことになっている。中南米地域の最大の資源国ブラジルは、近年中国との貿易関係を拡大させ、また、中国の対ブラジル直接投資も増大しており、両国は相互依存関係を深化させている。ルーラ大統領と習国家主席は、ウクライナ和平推進案についても協議を行う見通しである。

[ロシア/シリア] 3月15日、プーチン大統領はモスクワ訪問中のシリアのアサド大統領と会談した。ロシアは2015年にシリア内戦への軍事介入に踏み切り、長年アサド政権の後ろ盾となってきた。一方、アサド政権はロシアによるウクライナ4州の併合を承認し、ロシアに同調して「ネオナチに対する特別軍事作戦」を支持する姿勢を示した。

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