デイリー・アップデート

2023年3月7日 (火)

[米国] 2023年1月まで2期8年間メリーランド州知事に在任していたラリー・ホーガン知事は、2024年共和党大統領候補指名獲得争いへの出馬を検討していたが、出馬を見送る決断を下したことを3月5日、明らかにした。共和党内のトランプ前大統領批判の急先鋒である同氏は不出馬の決断に至った理由として、候補者が乱立状態となった場合、トランプ氏が再び同党の大統領候補指名を獲得する可能性が高まってしまうことになるためと説明している。

[ベトナム] 2月28日、ベトナム統計総局(GSO)は、1~2月の輸出額が前年同期比▲10.4%の494億4,000万ドルだったと発表した。外需の落ち込みに加え、テト(旧正月)で工場の稼働日数が減少していたこともあり低調だった。労働集約型とされる業種で落ち込みが顕著であり、繊維・衣類、履物、木材・木工品、水産物などは2桁台のマイナスだった。1~2月の輸入額は、同▲16.0%の466億2,000万ドルだった。電子・電子部品、機械・機械設備などの品目で大幅に落ち込んだ。一方、価格が高止まりしている石油・石油製品、原油はそれぞれ同+56.3%、同+110.2%と大幅に伸びた。

[日本] 厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、1月の名目賃金(現金給与総額)は前年同月比+0.8%となり、13か月連続のプラスになった。特別に支払われた給与(ボーナスなど)が同▲1.7%と8か月ぶりのマイナスだった影響もあり、名目賃金は2022年12月の同+4.1%から伸び率を縮小させた。実質賃金は+▲4.1%となり、10か月連続のマイナス、8年8か月ぶりの大幅な低下になった。消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が同+5.1%となった影響が大きかった。

[ロシア] ロシアの財政が一段と悪化している。2月6日、ロシア財務省が発表した1~2月の財政収支は、赤字額が2兆5,800億ルーブル(約4.7兆円、GDP比1.7%)に拡大した。これは2023年の年間財政赤字額見通しの約9割に達した金額となっている。歳入が原油・天然ガス収入の低迷で減少した一方、歳出は長期化するウクライナ侵攻に伴う戦費拡大を含め急拡大した。

[イラン] 3月3~4日、国際原子力機関(IAEA)がイランで84%の濃縮ウラン粒子を検知したとする報告書を発表した件でIAEAのグロッシ事務局長がイランを訪問し、ライーシ大統領、アブドラヒヤン外相、エスラーミー副大統領兼原子力庁(AEOI)長官らと会談した。会談後に出されたIAEAとAEOIの共同声明には、IAEAによる検証・監視活動にイランが今後も協力し必要な情報やアクセスを提供することや、検証・監視活動の進め方は近日中にテヘランで開催される会合で決められることなどが明記された。

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