デイリー・アップデート

2023年3月30日 (木)

[ベトナム] 3月29日、統計総局(GSO)が発表した2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率は前年同期比+3.32%で、2022年第4四半期(10~12月)の+5.9%から減速した。コロナ禍で同▲6.0%だった2021年第3四半期を除くと、2021年以降で最も低い伸び率だった。世界的なインフレと金利高で外需が低調となり重石となったが、内需では観光業などが経済成長を支えた。産業別では、主力の工業・建設業(製造業含む)が前年同期比▲0.4%と不振だった。

[米国] 3月23日、下院商業・エネルギー委員会が、TikTokのチューCEOを招いてTikTokに焦点を当てた初の公聴会を開催し、議員らが厳しい質問を行った。ホワイトハウスも、TikTokの親会社の中国技術企業ByteDanceが同社の株式を米国企業に売却しなければ、米国での使用を禁止する方針を示している。こうしたTikTokに対する規制強化の動きに対して民主党系ストラテジストや進歩系活動家は、若年層へのアウトリーチのために、TikTokは必要不可欠との議論が浮上している。

[ウクライナ] 3月29日、ゼレンスキー大統領はAP通信のインタビューで、中国の習近平国家主席について「彼と話をしたい」と述べ、首都キーウに招聘する意向を示した。また、激戦が続く東部ドネツク州の要衝バフムトについて、ロシアに制圧されればウクライナに不利な条件で停戦交渉を迫る国際圧力に利用されると述べ、死守する考えを強調した。

[台湾/米国/中国] 台湾の蔡英文総統が、グアテマラとベリーズを訪問するため、3月29日(現地時間)に中継地の米ニューヨークに到着した。蔡氏が総統になってから米国に「立ち寄る」のは6回目であり、米ホワイトハウスは「中国は過剰反応すべきでない」としている。駐米中国大使館の徐学淵臨時代理大使は「(蔡氏の訪米が)過去にもあったから大丈夫というのは間違いで、重大な米中対立を引き起こす」と発言した。ブルームバーグ紙は、サリバン大統領補佐官と王毅政治局員は3月24日に電話会談を行ったと報じており、蔡氏の訪米についても話し合われたとみられる。

[米国] 米シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行破綻を受け、ホワイトハウスは中規模銀行(資産規模1,000億~2,500億ドル)に対する監督強化策を検討しているとの報道があった。既に大統領は、金融機関経営者の責任を厳しく問う立法措置を議会に要請している。米FRBも今回の銀行破綻の経緯を調査し、検査強化等の措置を打ち出す見込み。連邦議会においても、民主党左派を中心に金融機関監督体制の再強化を求める声が上がり、預金保険制度の拡充の検討が始まっている。

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