デイリー・アップデート

2023年7月6日 (木)

[トルコ/エジプト] 7月4日、トルコとエジプトの両政府は互いに大使を任命したと発表した。両国は約10年ぶりに外交関係を格上げする。トルコのエルドアン政権は、エジプトのシシ政権が厳しく弾圧するイスラム主義組織「ムスリム同胞団」を強く支持しており、関係者をトルコ国内にかくまってきたため、これまで両国は対立してきたが、2021年以降関係改善のための外交対話が始まり、2022年カタールで開催されたサッカー・ワールドカップの開会式では、出席した両大統領が初めて握手をするなど、関係改善の流れは加速していた。

[米国/カリブ海諸国] 7月5日、ブリンケン米国務長官はトリニダード・トバゴを訪れ、カリブ共同体(CARICOM)創設50周年記念会合に出席した。同国務長官はCARICOMとのパートナーシップ強化を約束し、気候変動対策、クリーンエネルギー移行、国際開発金融機関による支援体制改革などに取り組んでいると説明。CARICOMが、G7、そして最大排出国(中国)に脱炭素化へのコミットメントを求めるべき、とも発言している。6月にはハリス副大統領がバハマ諸島を訪れており、バイデン政権が西半球外交にも注力していく姿勢を明らかにした。

[米国/スウェーデン] 7月5日、バイデン大統領は、スウェーデンのクリスタ―ソン首相をホワイトハウスに迎え、米・スウェーデン首脳会談を行った。スウェーデンのNATO加盟申請については、トルコとハンガリーが国内での批准手続きを完了していないため、7月11日~12日、リトアニアの首都ビリニュスで開催されるNATO首脳会談までには、スウェーデンのNATO加盟は実現しないことになった。バイデン大統領は、同国のNATO加盟を強固に支持する姿勢を首脳会談で明確にした。

[ミャンマー] 6月27日、世界銀行はミャンマー経済に関するレポートを発表した。2022年前半より経済は比較的安定的だったが、脆弱で不均衡な状況が続いている。実質国内総生産(GDP)成長率は2024年度(2023年10月~2024年9月)まで3年連続で+3%になる見通しだが、経済回復の中身はいびつで、復調は厳しいとみられる。通貨チャット安に伴うインフレ圧力が2023年前半には落ち着き、消費者物価指数(CPI)は2022年度の前年比+18.3%から2023年度に+14.0%、2024年度には1桁にまで減速する見通し。

[米国] FRB(連邦準備制度理事会)は7月5日、6月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を発表した。そこでは、ほぼ全ての参加者が、追加利上げが必要か否かを見極めるために、金利を据え置くことに同意していた。ただし、一部には0.25%ptの利上げを支持する声もあった。今後について、大半の参加者が、追加利上げがいずれ必要になるという認識を示していた。政策金利が景気を制約する水準に達したものの、労働需給のひっ迫とインフレについては2%目標を大幅に上回る状況の中で、金融政策の舵取りが難しくなっている様子がうかがえる。

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