デイリー・アップデート

2023年7月12日 (水)

[中国] 6月11日、中国自動車工業協会は6月の新車販売台数が前年同月比+4.8%の262万2,000台だったと発表した。5か月連続でプラスとなったものの、消費の低迷に加えロックダウンで景気が悪化した2022年6月に新車購入支援策を導入し、前年同月比で2桁増になっていたため、その反動もあり伸びは鈍化した。一方、「新エネルギー車(NEV)」は+35.2%の80万6,000台だった。1~6月の新車販売台数は、前年同期比+9.8%の1,323万9,000台となっている。

[ドイツ] 欧州経済研究センター(ZEW)が発表した7月のドイツ景気予測指数は▲14.7となり、前月の▲8.5から悪化した。内訳をみると、「改善」の回答割合が21.3%へと3.3pt縮小した一方で、「悪化」が2.9pt増加して36.0%になった。また、足元の状況を表す現況指数は▲59.5と、6月の▲56.5から悪化した。ZEWは、足元に加えて先行きの見通しも悪化した理由として、利上げに伴う短期金利の上昇や、中国など主要輸出先の需要の弱含みをあげた。

[中国/ドイツ] ドイツVW傘下のアウディが、中国におけるEVの開発・製造において、中国のOEMからライセンスを導入し、開発期間の短縮に取り組む計画をしていると、中国メディアの第一財経が報道した。VWグループの幹部が、中国におけるEV販売で競合他社に後れを取っていると発言しており、危機感を持っていることがうかがえる。2023年1月~5月、ベンツ、BMW、アウディの中国における新エネルギー車の販売台数は、それぞれ36,607台、15,930台、7,748台であった。

[トルコ/スウェーデン] 7月10日、トルコのエルドアン大統領は、スウェーデンのNATO加盟に向けたトルコ議会での批准手続きを進めることに同意した。スウェーデンのNATO加盟には全加盟国の各国議会での批准が必要だが、トルコはスウェーデンにおけるテロ活動(トルコの反体制派による活動)の取り締まりが十分でないとして、手続きを進めていなかった。7月11日から始まるNATOサミットまでにトルコの同意が得られるかどうかが注目されていた。トルコが米政府と交渉しているF-16戦闘機の売却が裏で交渉材料になっていたとの見方もある。

[米国] 2024会計年度(2023年10月1日~2024年9月30日)の12本の歳出法案を9月末までに成立させる必要があるが、21人で構成される超保守派の共和党下院議員グループは、大幅に歳出が削減された歳出法案でなければ、下院本会議での採決では反対票を投じる方針を明らかにした連名書簡を、マッカーシー下院議長宛に7月10日に送付した。9月末までに歳出法案が成立しない場合、連邦政府機関の一部が閉鎖される可能性がある。

[ロシア] 7月11日、ショイグ国防相は、軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏の反乱後初めて現地の記者らのインタビューに応じ、「米国がクラスター弾をウクライナに供与すれば、ロシアも同様の兵器を使用する」と話した。一方、ロシア前大統領のメドベージェフ国家安全保障会議副議長はSNSテレグラムで、ウクライナがすでに南部トクマクでクラスター弾を使用したとの情報があると言及した。

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