デイリー・アップデート

2023年7月27日 (木)

[米国] 米連邦準備制度理事会(FRB)は7月26日まで米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催、政策金利(FF金利)の誘導目標レンジを0.25%pt引き上げて、5.25～5.5%にすることを決定した。2会合ぶりの利上げとなった。また、FRBスタッフの経済見通しでは、米国経済は減速するものの、景気後退は予想されていないことが明らかになった。今後の金融政策については経済データ次第として、会合ごとに判断する姿勢が改めて示された。その一方で、年内の利下げについて、パウエルFRB議長は引き続き否定した。

[エチオピア] エチオピア連邦政府は、電気通信セクターを外国企業や民間企業に開放しようとする動きを再び強めている。最初のライセンスは2021年にサファリコム主導のコンソーシアムから8億5,000万ドルで落札されたが、2度目の開放には10億ドルの下限を設定する可能性が高い。国際通貨基金(IMF)からの融資再開見通しも、この動きを後押ししていると考えられる。

[ロシア・アフリカ] 7月27～29日、ロシアはアフリカ各国の首脳を招いて、サンクトペテルブルクで「ロシア・アフリカサミット」を開催する。会議にはアフリカ54か国のうち17か国の首脳が、49か国からは政府関係者や企業の代表などが参加すると発表された。会議では多極化に基づく新しい世界秩序やアフリカ各国に対するロシア産の農産物や肥料などの支援について議論が交わされる見通しとなっている。

[台湾] 7月28日、半導体受託生産で世界最大手のTSMC(台湾積体電路製造)が台湾新竹サイエンスパークに設立したグローバル研究開発センターが開業する。TSMCの今後20年～30年の長期的な研究開発に関わるもので、創業者の張忠謀氏も出席する。TSMCは米国、日本などで海外展開を進めているが、最先端半導体の研究開発や製造を、引き続き台湾にとどめようとする姿勢がうかがえる。3nmについては、米アリゾナ州で2026年に生産開始予定だが、台湾では2022年12月の段階で既に生産を開始している。

[米国/ニジェール] 7月26日、西アフリカのニジェールでブザム大統領が大統領警護隊に拘束されたとの報を受け、米国政府は、民主的に選ばれた政府を、武力をもって覆そうとする試みであると非難し、同氏の速やかな解放を求めた。ブリンケン米国務長官は拘束されているブザム大統領に架電、同氏に対する米国政府の支持を伝えた。米バイデン政権は、ロシアや中国が一定の影響力を行使するアフリカにおける外交関与を強化しており、ニジェールでは米空軍が拠点を持ち、無人機を用いた作戦を展開している。

[米国/ロシア] 7月17日、ロシアは、国連とトルコの仲介で1年前に成立した「ウクライナ産穀物の黒海経由での輸出に関する合意」の履行を停止することを発表した。ロシアはウクライナ南部最大の港湾都市オデーサにある穀物倉庫や港湾施設を標的にした攻撃を行うとともに、7月24日には欧州経由で輸出するドナウ川沿いの穀物倉庫等も攻撃しており、米国政府は、これらの攻撃について、貧困に苦しむアフリカ諸国への食糧供給に重大な影響が及びかねないとして懸念を表明している。

[中国・アルゼンチン] アルゼンチンで、人民元建ての国際決済が加速しつつある。2023年7月、同国は初めて米ドルではなく中国人民元で11億ドル相当の国際通貨基金(IMF)への返済に踏み切った。IMFへの返済に先立ち、アルゼンチンは外貨準備強化のため、2023年6月に中国との通貨スワップ協定を更新した。この更新は2020年8月に締結された3年間の通貨スワップ協定で、当初は2023年8月が期限だった。さらにアルゼンチン中央銀行は、国内の銀行に対し、2023年6月末に人民元建ての口座の開設を認めると発表し、7月に入り中国工商銀行は同国で初めて人民元建ての銀行口座を開設した。

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