デイリー・アップデート

2023年7月19日 (水)

[米国] 商務省によると、6月の小売売上高は前月比+0.2%となり、3か月連続で増加した。自動車やガソリンなどを除く小売売上高は+0.6%となり、5月(+0.3%)から加速し、個人消費の底堅さを印象付けた。また、FRBが発表した鉱工業生産指数は前月比▲0.5%と、2か月連続で減少した。製造業は2か月連続の減産となる▲0.3%だった。4月の増分があるため、Q2は前期から増加したものの、足もとにかけて弱い動きになっている。

[米国] 民主党穏健中道派のマンチン上院議員(ウエストバージニア州選出)は、民主党上院議員の中で最も保守的な政治家であり、バイデン大統領が成立を目指した経済公約「Build Back Better」の中核を成す主要法案の歳出予算規模の大幅削減を要求したり、バイデン大統領が指名した政府高官人事を潰したりしている。マンチン氏が7月17日に開催された中道系グループ「No Labels」主催のイベントに出席したことで、2024年大統領選挙に第三政党から出馬する憶測が広がっている。

[中国] 7月17日~18日、北京にて開催された「全国生態環境保護大会」で、習近平総書記が演説を行った。会議は李強首相が主宰し、政治局常務委員が全員参加した。習近平氏の演説では、「生態文明建設」に向けた取り組みを推進・強化することが強調されたが、具体的な目標などは提示されていない。ただし、グリーン化と脱炭素化に向けた具体的な政策は、今後各組織・部門から提示されると予想される。炭素排出権、エネルギー使用権、水使用権、汚水処理権などの資源・環境要素に市場ベースのシステムを取り入れ、付与、譲渡、抵当、株式保有などの市場取引を促進するとしている。

[トルコ/湾岸諸国] エルドアン大統領は、7月17日から3日間の日程でサウジアラビア、カタール、UAEを訪問。同氏は出発前の会見で、今回の訪問の目的は投資と財政面と発表した。現在トルコは前年比40%のインフレで、通貨リラは対ドルで3割下落、2023年1~5月の経常赤字が377億ドルに達するなど、経済的に難しい状態にあり、湾岸諸国からの支援を期待している。サウジでは国王や皇太子との会談を実施し、トルコ史上最大の防衛・航空輸出契約となるトルコ製攻撃用無人機の輸出契約を交わした。また、トルコ初の国産EV車をプレゼントし、ムハンマド皇太子がエルドアン大統領を助手席に乗せて試乗するなど、トルコ製品をアピールした。

[米国] 7月16日、G20財務相・中央銀行総裁会議に出席するためインドを訪れているイエレン財務長官は、会議に先立って記者会見に臨み、米国が掲げる重要な4点(①途上国・新興市場に対する債務減免、②多国間開発金融機関の改革、③ウクライナ支援、④国際税制改革)を挙げた。同氏は、7月訪中時にも中国政府関係者と途上国の債務問題について意見を交わしたと明かし、G20会議では速やかな債務救済が必要と訴える見込み。また、ウクライナ支援についても言及し、米国の姿勢に揺らぎはないと述べた。G20にはロシア政府も参加している。

[ロシア] ロシア政府は、政府の管理下に置かれた仏食品大手ダノンやデンマークのビール大手カールスバーグのロシア子会社について、チェチェン共和国の農業大臣であるザクリエフ氏をダノン事業の責任者に任命し、またプーチン大統領の長年の友人であるボロエフ氏を、カールスバーグのバルチカ子会社の取締役に任命した。

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