デイリー・アップデート

2023年7月28日 (金)

[中国・米国] 米国の輸入相手国で、これまで首位だった中国が脱落しメキシコとカナダに抜かれ3位となった。米国勢調査局の統計によると、2023年1月から5月までの期間において、中国からの輸入額が米国の輸入額全体に占める割合が13%(1,686億3,000万ドル、史上最高だった前年同期は2,228億4,000万ドル)、1位のメキシコは16%、2位のカナダは15%に達した。中国からの主要な輸入品目のうち下落が顕著だったのは、携帯電話およびその関連機器、コンピュータなどだった。

[ECB] 欧州中央銀行(ECB)は7月27日に理事会を開催、0.25%の利上げを決定した。9会合連続の利上げ幅累計は4.25%になった。中銀預金金利は、2000年以来の高水準まで引き上げられた。ラガルド総裁は今後の利上げについて、今後の経済・金融データに基づく物価見通し、基調的な物価の動向、金融政策の伝達力の3つの点から、会合ごとに決定する方針を改めて示した。状況は変化するため、フォワードガイダンスを明示する段階にはないとも述べた。

[中国] 7月27日、ピュー・リサーチセンターが、24か国で実施した中国の外交政策に関する世論調査結果を発表した。全体では中国外交に対しては中央値で67%が否定的にみており、28%が好意的であった。先進国では好意的でない見方が強い一方、中進国や途上国は中国に対して好意的な傾向はみられるが、ブラジルで中国に好意的でない見方が48%と、2019年の調査時に比べ21%ptも上昇し、最近の両国関係からすると意外な数字を示しているし。ピューリサーチの研究員は、コロナウイルスと中国の関係に対するブラジルの報道や、ボルソナロ政権の対中政策などが影響したのではと分析している。

[米/サウジアラビア] 7月27日、サリバン米国家安全保障問題担当大統領補佐官がジェッダを訪問し、ムハンマド皇太子兼首相と会談した。両者は二国間関係や地域の問題、共通の関心事項について協議し、戦略関係の強化や戦闘状態が収まりつつあるイエメン戦争についても話し合われた。バイデン政権とムハンマド氏との関係は、2018年のサウジ人ジャーナリスト暗殺を巡るバイデン政権の対応や、米国による石油増産要請にサウジ主導のOPEC+が応じなかったことなどでギクシャクしており、米側は関係改善を模索している。

[ブラジル] ルーラ政権関係者らは、8月および9月に、約100件のグリーン施策が盛り込まれ、また、投資総額は今後10年間で官民合わせて数千億米ドルに達するとみられる「グリーン移行計画」を公表する方針を明らかにした。ルーラ政権高官の1人は同計画について、少なくとも発展途上国の中では、世界における経済の脱炭素化を図るための最も野心的な計画になると説明している。

[ロシア・北朝鮮] 7月26日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記がロシアのショイグ国防相を平壌に招き、会談を実施した。ロシア国防相の北朝鮮訪問は異例である。北朝鮮は、ショイグ国防相が率いるロシア代表団に、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などを含む、同国の最新兵器を披露した。北朝鮮からロシアへの武器支援などが協議されたとの見方も出ている。

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