デイリー・アップデート

2024年3月8日 (金)

[米国] 米国東部標準時間3月7日午後9時より、バイデン大統領は、米議会上下両院合同本会議において、米国の現状について報告する一般教書演説を行った。同演説の中でバイデン氏が強調したのは米国民への投資について。、米国内のインフラの再整備から米国民に対する負担の軽減に至るまで、バイデン政権が過去3年間取り組んできた経済アジェンダの中心が米国内への投資であったとのメッセージが基調となった。今後、バイデン氏対トランプ氏の本選挙戦が始動する。

[ユーロ圏] 3月7日、欧州中央銀行(ECB)は、理事会を開催し、4会合連続で政策金利を据え置くことを決定した。物価上昇率が前回会合時からさらに鈍化しているという認識が示され、2024年の物価見通しは、前年比+2.4%上昇と、前回12月から0.4%pt下方修正された。また、ラガルドECB総裁は記者会見で、「利下げの議論を今回しなかった」と強調したものの、「政策の制約的な姿勢を縮小する議論を始めたところだ」と明かした。市場では、2024年Q1の物価・賃金動向などを確認した上で、6月にも利下げが実施されると見込まれている。

[南アフリカ] 3月5日、統計局は、2023年第4四半期の実質GDP成長率(前期比、季節調整済み)を+0.1%と発表した。前期の▲0.2%からプラスに転じ、二期連続のマイナス成長(テクニカル・リセッション)は免れた。産業別では、運輸・倉庫・通信(前期比+2.9%)、鉱業(同+2.4%)、電気・ガス・水道(同+2.3%)が好調だった一方、農林水産業が主要作物や園芸作物などの生産減により▲9.7%となった。また、統計局は2023年通年の実質GDP成長率を+0.6%と発表した。GDPの約四分の一を占める金融業が+1.8%となり最大の寄与度(0.4%pt)となった。

[イエメン] 3月6日、イエメン沖アデン湾で、イエメンの反政府武装勢力フーシ派による船舶に対する攻撃が発生し、3人が死亡した。2023年11月から続くフーシ派による船舶攻撃で死者が出たのは今回が初めて。3人の死者のほかに4人が重軽傷を負い、さらに3人が行方不明になっているとのこと。乗組員20人のほとんどはフィリピン人とベトナム人。そのほかに3人の護衛が乗船していた。同船舶はリベリアの会社が所有するバルバドス船籍で、ギリシャに拠点を置く企業が運航していた。フーシ派は米国の船だと主張している。

[米国] 3月6日、下院は歳出法案6本分の2024年度予算案を可決した。賛成票339票のうち、下院少数党である民主党の207票を得て通過した。司法省、運輸省、エネルギー省、農務省などに係る予算で、連邦政府支出の3割ほどを占める。今後、上院が可決し大統領署名に至る見込み。これによって3月8日に期限を迎える暫定予算の代わりとなる通年予算が成立する。3月22日には暫定予算第2弾が失効するため、それまでに国防総省や国土安全保障省などに係る予算案を議会が承認できなければ、連邦政府の一部閉鎖という事態を迎えることになる。

[英国/ラトビア/ウクライナ] 3月7日にシャップス英国防相がウクライナを訪問し、2024年中にウクライナに対して1万機以上のドローン供与(3.25億ポンド相当)することを発表。英国政府は1月にスーナク首相がウクライナを訪問した際、2億ポンド相当のドローン供与を発表するなど、ドローンに特化した対ウクライナ軍事支援を強化している。また、英国は、2月にラトビアが結成した、ウクライナ向けにドローン100万機供与を目標とする「ドローン連合」をラトビアと共同で主導するなどの軍事支援も展開している。

[中国] 3月7日、王毅政治局員兼外相は、全人代の記者会見で中国の対外政策について説明した。今回、西側諸国のメディアで質問を行ったのはブルームバーグと韓国の放送局のみで、日本のメディアに質問の機会は与えられなかった。王氏の発言内容のほとんどは、習近平氏の外交リーダーシップと自国外交方針の自賛であったが、米中関係については、2023年11月の首脳会談以降、両国の関係は安定しているとしながら、米国には根深い対中不信があり、中国を抑圧しようとしていると批判した。また欧州については、中国をシステム上のライバルと見ていることに苦言を呈しつつ、関係改善に期待を表明した。

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