デイリー・アップデート

2024年3月18日 (月)

[ニジェール/米国/ロシア] 3月16日、軍事政権の報道官は米国との軍事協定を即刻破棄すると発表した。3月12~13日にかけて、モリー・フィー米事務次官補(アフリカ担当)、マイケル・ラングレー米アフリカ軍(Africom)司令官らがニジェールを訪問し、軍幹部らと協議を行っていた。報道によると、米国は、ニジェールがロシアやイランとの関係を断ち切らなければ報復を行うことをほのめかしたとされ、これを「慇懃無礼(いんぎんぶれい)な態度」だとニジェール側は強く非難した。同国中部のアガデス空軍基地には、2023年12月時点で600名強の米軍兵が駐留し、イスラム国やアルカイダ系の過激派組織の監視にあたってきた。2023年7月に発生したクーデター後、フランス駐留軍もニジェールから撤退している。

[インド] インド南部ベンガルールは、2月以降異常に暑い気候でほとんど降水がないため、水の供給量は急速に減少し、コストが高騰している。自治体・当局は、給水車の所有や水道料金の上限設定などの緊急措置を講じて状況の収束に努めている。しかし、今後季節が進みさらに暑くなるため、最悪の事態が訪れるのではないかとの懸念が生じている。世界で最も急速に成長している都市だが、水供給インフラが人口増に追いついていない。都市が発展したことで、舗装された地面が雨水の吸収を妨げ、地下水へ影響し、同地の緑地面積が失われたと指摘されている。

[中国] 3月14日~11月30日の期間で、スイス、アイルランド、ハンガリー、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルクの6か国からの一般旅券(パスポート)所持者を対象に、ビザ免除が試験的に導入された。同6か国からビジネス、旅行・観光、親族訪問、トランジットなどで訪中する一般旅券所持者は、15日以内の滞在に限り、ビザなしで入国できる。3月初めの時点で、中国はすでに157か国に対しビザを緩和しており、観光収入の増加により、最近の不動産市場の低迷による経済減速の底上げを図る意向だ。

[ドイツ/ポーランド/フランス] 3月15日に開かれたワイマール・トライアングル・サミットで、ショルツ独首相、トゥスク波首相、マクロン仏大統領は、対ウクライナ支援に関する3か国の結束や団結を強調。対ウクライナ軍事支援や西側軍のウクライナ派遣についてドイツとフランスの関係が悪化しており、ポーランドが仲介役をして関係改善を図った。

[韓国/米国] 3月18日~20日、ソウルで「第3回民主主義サミット」が開催される。2021年に米国で第1回が実施されて以来、米国外で同サミットが開催されるのは初めて。今回は「人工知能(AI)・デジタル技術と民主主義」をテーマに閣僚級会合が開催される。主催国の韓国は、参加国に関する情報を明らかにしていない。ブリンケン米国務長官はサミットに参加するため、3月17日、韓国に到着した。同氏はサミットに参加するほか、趙兌烈(チョテヨル)外相ほか韓国政府高官らとも個別に会談を行う予定。

[米国/インド太平洋] 3月14日、米商務省はインド太平洋経済枠組み(IPEF)の「クリーン経済」並びに「公正な経済」分野の交渉テキスト案を公表した。クリーン経済においては、クリーンエネルギー関連技術、CCUS技術(二酸化炭素の回収・貯留・活用技術)などの開発に向けた協力促進などに合意し、公正な経済に関しては汚職対策、OECD国際課税ルール施行に向けた準備協力を盛り込んだ。また、加盟国による気候変動関連インフラ整備を支援するためのIPEF基金設立が発表され、日米豪韓が3,300万ドル出資する予定。IPEFサプライチェーン分野は合意が発効しており、貿易分野は交渉の停滞が伝えられている。

[ブラジル] ボルソナロ前大統領は、2022年10月に実施された大統領選挙で労働者党(PT)のルーラ氏に敗北したが、3月15日、連邦最高裁が連邦警察に提示した資料により、ボルソナロ氏敗北後の2022年12月、大統領府でブラジル軍部の陸軍司令官と空軍司令官に対してルーラ氏の大統領就任を阻止するためのクーデター計画を持ち掛けていたことが明らかになった。今後、ボルソナロ氏は2023年1月に発生したボルソナロ支持者による大統領府等襲撃事件で逮捕される可能性が浮上している。

[ロシア] 3月15日~17日、大統領選挙が実施された。出口調査によると、現職のプーチン大統領(71)が87.8%の得票率で当選が確実となった。任期は2030年までの6年間となる。投票は、2014年にロシアが併合したクリミアと、2022年以降ロシアが一方的に併合したウクライナ東・南部の4州でも行われ、選挙管理当局によると、投票率は74.22%で、2018年の67.5%を上回った。

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