デイリー・アップデート

2024年7月17日 (水)

[バングラデシュ] バングラデシュでは雇用割当に対する学生の抗議デモで多くの負傷者が出ている。AFP通信によると、7月16日時点で400人以上が負傷、治安当局の発表によると、5名の死者が出ているとのこと。抗議活動は、1971年に同国の独立運動に参加した戦士の子どもたちに公務員ポストの30%を割り当てるという判断を高等裁判所が復活させた後に始まった。最高裁判所は先週、高等裁判所の命令を4週間停止し、首席判事は抗議参加の学生たちに授業に戻るよう求めている。また、4週間後にこの問題について判決を下すと表明した。ハシナ首相は、この問題は最高裁の手に委ねられていると述べた。

[ドイツ] 欧州経済研究センター(ZEW)によると、7月のドイツ景気期待指数は41.8と、6月(47.5)から低下した。低下は2023年7月以来、1年ぶりのことだった。足元の状況を表す現況指数は▲68.9となり、前月から+4.9ptとマイナス幅を縮小させた。バンバッハZEW所長は、5月の輸出の予想以上の減少、フランス政治の先行き不透明感、ECBの金融政策の透明性の欠如などが、ドイツ経済の重石になっていると指摘した。

[エチオピア/アラブ首長国連邦] 7月16日、エチオピア中央銀行(NBE)とアラブ首長国連邦(UAE)中央銀行(CBUAE)は、両国の自国通貨であるエチオピア・ブルとUAEディルハムの二国間通貨スワップ協定に調印した。これによりCBUAEは30億ディルハム(約8億ドル)、NBEは460億ブルを上限として通貨の交換が可能となる。またこの協定に加え、両国間のクロスボーダー取引における自国通貨の使用と、決済における金融メッセージシステムの連携に向けた協力覚書(MoU)の署名も行われた。アフリカ輸出入銀行によると2023年のエチオピアの外貨準備高は輸入の0.3か月分まで減少していることから、今回の協定はUAEによる金融支援とみられる。

[米国] トランプ前大統領は、ともにホワイトハウス奪還を目指す共和党副大統領候補にオハイオ州選出の1期目のJ.D.バンス上院議員を指名した。近年オハイオ州は共和党優位の州となっており、バンス氏は接戦州の選出ではないが、白人のブルーカラー層に支持されるバンス氏を副大統領候補に指名することで、トランプ氏はペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、ミネソタといった中西部諸州で勝利を目指すことが目的であると考えらえる。

[EU] 7月16日の欧州議会本会議で、2022年1月にサッソリ前議長の死去に伴い就任した、中道右派政党グループの欧州人民党(EPP)に所属するメツォラ議長が圧倒的多数で再選を果たした。同日行われた副議長選出投票では、選出された14名の副議長のうち極右で第3勢力の「Patriots for Europe」からは1名も選出されなかった。

[米国/中国] 香港のSCMP紙は、中国の三中全会が終了した直後に米国の経営者グループが北京を訪問し、中国政府高官に会って三中全会の成果や中国の政策について見識を深める予定だと報じている。訪中を手配するのは米中ビジネス評議会(USCBC)で、協議会のグレイグ・アレン会長やラジ・スブラマニアム理事長(FedEx CEO)のほか、ゴールドマン・サックス、スターバックス、ハネウェル、ユナイテッドヘルス、ナイキ、クアルコムなどの幹部が訪問リストに含まれている。これらのビジネスリーダーらは、中国が中長期的成長のために、どのようなロードマップを描き改革を実行するつもりなのかを知りたいと考えている。

[オマーン] 7月15日、オマーンの首都マスカットにあるシーア派モスクの周辺で銃撃事件があり、6人が死亡、28人以上が負傷した。3人の実行犯が近くの建物から同モスクに集まる群衆を狙って銃を発砲したとのこと。実行犯はオマーン警察により現場で射殺された。翌16日にスンニ派イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がシーア派を狙ったことを犯行声明で発表。シーア派の宗教行事アーシューラーのお祈りのため、モスクに人が集まっていた。治安が安定してきたオマーンでISがテロ攻撃を実行するのは初めてのことである。

[米国] 7月15日、トランプ前大統領が政府機密文書を自宅で不正に保管していた件に関して、フロリダ州の連邦地裁は、起訴を棄却する判断を下した。政府の特別検察官の任命が違法であるとの判断が理由で、機密文書保管の是非については判断を下していない。検察側は控訴する意向。トランプ前大統領は四つの刑事訴追案件を抱えており、完全に棄却されたのは今回が初めてのケースとなる。今月、最高裁が大統領の免責特権を認めたことに次いで、トランプ氏は有利な判決を手にしたことになる。

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