デイリー・アップデート

2022年11月7日 (月)

[ウクライナ/米国/ロシア] ウクライナ侵攻を巡り、米国政府がウクライナに対して、ロシアとの交渉に前向きな姿勢を見せるよう水面下で促していると米国メディアが報じている。米国のサリバン国家安全保障問題担当補佐官が、ロシアの大統領補佐官ウシャコフとロシア安全保障会議のパトルシェフ書記と秘密裏に接触をし、ウクライナのゼレンスキー大統領に対して、ロシアが紛争を解決する準備ができていることを公に宣言するよう訴えたとも伝えている。

[ドイツ/中国] 11月4日、ショルツ独首相は日帰りで北京を訪問し、習近平国家主席らと会談を行った。ショルツ首相は、ウクライナで核兵器が使用されることに反対する発言を習氏から引き出したことなどを成果として強調したが、ドイツ国内やEU諸国では、この時期の訪中について批判も出ている。中国側の発表では、ショルツ氏が「デカップリングに反対する」と述べたことや、習氏がショルツ氏の「政治家は変えられないものは静かにそれを受け入れ、変えられるものは勇気をもって変え、知恵をもってその違いをはっきりさせるべき」という考え方に感銘を受けたこと等を紹介している。

[米国/ウクライナ] 11月4日、サリバン米大統領補佐官はウクライナの首都キエフを訪問し、ゼレンスキー大統領らと会談するとともに、改修された旧ソ連製戦車「T-72」等からなる総額約4億ドル規模の対ウクライナ追加軍事支援を行うと発表した。サリバン大統領補佐官は今後も経済面、人道面でも引き続きウクライナを支援していく方針を示した。他方サリバン氏は最近、ロシアに対してはプーチン大統領の側近らと協議を重ねており、大量破壊兵器(WMD)の使用に対して警告している。

[米国] 労働省『雇用統計』によると、10月の非農業部門雇用者数は前月から26.1万人増加した。20万人程度の増加とみていた市場予想を上回った一方で、9月の31.5万人増を下回った。失業率は3.7%となり、9月から0.2pt上昇した。また、平均時給は前年同月比+4.7%となり、前年の反動もあって9月の+5.0%から伸び幅を縮小させた。これらの結果は、市場では12月FOMCの50bp利上げを支持する内容と受けとめられたようだ。

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