デイリー・アップデート

2022年11月22日 (火)

[タイ] 11月21日、国家経済社会開発委員会(NESDC)は2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が、前年同期比+4.5%だったと発表した。前期の同+2.5%から加速、同▲0.2%だった前年同期からはプラスに転じた。観光が回復基調にあることで内需がけん引し経済全体を押し上げた一方、モノの輸出は軟調だった。1~9月の外国人旅行者数は569万人だった。

[チリ] 第3四半期のチリ経済は前期比▲1.2%と予想以上に落ち込んだ。個人消費など内需の弱さが際立ち、今後も景気後退傾向は続き、来年はゼロ成長になるとみられている。また、チリの経常赤字がさらに悪化し通年でGDPの10%近くとなっていること、さらに憲法改正に関するチリの不確実性を考慮すると、通貨にとっても懸念材料となっている。

[韓国] 2022年度の韓国の武器輸出額は既に170億ドル相当で、2021年度の2倍以上となっている。サウジアラビアやマレーシア向けの武器輸出取引が来月に調印される可能性もあるため、輸出額はさらに伸びる可能性もある。輸出の急増の要因の一つに、ウクライナの隣国であるポーランドが、今年100億ドル以上の兵器を韓国から購入したことが挙げられている。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、武器輸出の拡大を目標に掲げ、世界の輸出大国トップ4入りを目指している。現在4位の中国を抜く可能性があるが、中国と韓国では販売先が異なるため、中国の利益が犠牲になる可能性は小さいとSCMP紙は報じている。

[マレーシア] 11月19日、下院選(定数222)が行われ、アンワル元副首相率いる希望連盟(PH)が最多議席を獲得し、ムヒディン元首相率いる国民同盟(PN)、イスマイルサブリ首相が所属する国民戦線(BN)が続いた。いずれの政党連合も過半数を確保できず、連立が必要になるが、11月21日PNは、過半数(112)の議員がムヒディン元首相を支持する、とするリストを国王に提出した。首相候補者名の提出期限は、11月21日午後2時に設定されていたが、22日午後2時に延期された。PHの動向が注目される。

[トルコ/シリア] 11月21日、トルコ南部ガジアンテップ県のシリアとの国境の町に、シリア側から発射されたロケット弾が着弾し、子供を含む3人が死亡、10人が負傷した(うち2人は重傷)。トルコのソイル内相は報復攻撃を示唆し、エルドアン大統領は地上部隊の投入も検討していると発言。トルコ政府は、11月13日にイスタンブールで発生したテロ事件の犯人をクルド人武装勢力と断定しており、報復として20日にシリア北部への空爆を実施したばかり。今回のシリアからの攻撃は空爆に対する報復とみられており、暴力の連鎖が懸念される。

[米国] 米中間選挙後の11月11日から13日までの3日間、保守系政治活動委員会(PAC)のClub for Growth Actionは、党員集会や予備選挙を早い段階で実施するアイオワ、ニューハンプシャー、フロリダ、ジョージアの「序盤州」4州の共和党系有権者を対象に、「トランプ前大統領対デサンティス知事」の直接対決を想定した最新世論調査を実施した。デサンティス氏は、2022年8月実施の前回世論調査結果から4州すべてで支持率を伸長させ、トランプ氏に対し二桁の優位を確立している。

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