デイリー・アップデート

2022年11月8日 (火)

[インドネシア] 中央統計局は7日、2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が前年同期比+5.72%だったと発表した。伸び率は、第2四半期(4~6月)の同+5.45%(改定値)を上回り、4四半期連続で+5%を超えた。入国制限を含む新型コロナウイルス抑制策の緩和などにより内需が勢いを増したことに加え、好調な資源輸出が経済成長を後押しした。最も高い伸び率となったのは「運輸・倉庫」の同+25.81%、次いで「ホテル・レストラン」が同+17.83%だった。

[日本] 厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、9月の名目賃金は前年比+2.1%となり、9か月連続で前年水準を上回った。一方で、消費者物価上昇の影響から、実質賃金は▲1.3%と、4月以降6か月連続で前年割れとなった。また、総務省『家計調査』によると、9月の実質消費支出(2人以上世帯)は前年同月比+2.3%となり、6月以降前年の水準を上回っている。物価上昇に伴う実質購買力の低下が消費者マインドを冷やす一方で、足元の消費は持ち直しつつある。

[南米] 南米の利上げサイクルは、世界に先駆けて終盤に差し掛かっている。インフレ率は多くの国でピークに達し、ブラジル、ペルー、チリの3か国は利上げを終了したと考えられる。またメキシコやコロンビアでは、インフレのピークが近いとみられる。南米では、先進国に先立ち引き締めサイクルを開始していた。

[トルコ] 11月3日、トルコ統計局は10月のインフレ率が前年同月比で+85.5%だったと発表した。1998年以来24年ぶりの高水準となった。食料品は+99%、運輸・交通費は+117%の上昇となった。生産者物価指数は+157.69%の上昇。インフレ抑制には利上げが求められるが、強行に利下げを求めるエルドアン大統領の圧力もあり、トルコ中央銀行は過去3か月で計3.5%ptの利下げを実施。10月にトルコ訪問を終えたIMFは、4日に声明を発表し、トルコに対して、早期の利上げと中央銀行の独立性担保を提言した。

[米国] 米国政治の専門サイトPoliticoは中間選挙前日の11月7日に、米中間選挙の最終予測を公表し、共和党が下院を4年ぶりに奪還することは確実である一方、上院は接戦であり、6つの州の上院議員選挙でいずれの政党が多数党の立場を確保するのかが鍵を握ることになると予測している。中間選挙では大統領の所属する与党が敗北することが歴史的パターンであり、今回の中間選挙も例外ではなく、上下両院ともに共和党が多数党になる可能性が高いとみている。

[中国/ロシア] 中国政府が発表した2022年10月の貿易統計では、ロシアに対する輸入と輸出は、それぞれ前年同月比30%以上増加した。1~10月の中ロ貿易額は33%増加となり、過去最高の1,539億ドルを記録した。2022年通年の2国間貿易額は、史上初の1,800億ドルまで拡大する可能性があると見込まれる。

[中国] 11月7日付の「財新網」で、平安証券の鐘チーフエコノミストは、2022年10月の中国のドル建て輸出が前年同月比▲0.3%となった背景に言及した。国内要因では、10月の新型コロナウイルス感染拡大がサプライチェーンの稼働を阻害し出荷に影響したこと、海外要因では、9月に続き10月も対米輸出が前年割れ、対EU輸出も前年割れに転じ、金融引き締めの影響が引き続き顕在化したなどと説明。主要国PMI指数が中国の輸出に約3か月先行しており、同指標が6月から急激に低下していることから、今後中国の輸出に対する下押し圧力が強まると予想した。

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