デイリー・アップデート

2022年11月15日 (火)

[米国] 11月8日に行われた米国中間選挙では、接戦州で共和党が擁立した候補が上院議員選挙や知事選挙で次々に敗北する結果が明らかになっている中、アリゾナ州知事選挙に出馬していたトランプ前大統領に近いレイク共和党候補の敗北が11月15日、確実となった。トランプ前大統領が擁立し、選挙戦のてこ入れを図った候補が接戦州で次々に敗北していることは、トランプ氏から離反している無党派層の投票行動が鮮明になった結果とみられており、2024年大統領選への同氏の再挑戦にとって大きな打撃となった。

[マレーシア] 11月11日、中央銀行は2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が前年同期比+14.2%だったと発表した。伸びは前期の同+8.9%から加速。第1四半期が同+5.0%、1~9月では同+9.3%。前年同期がコロナ禍でマイナス成長だったことによるベース効果に加え、雇用環境の改善を受け内需が拡大し、入国制限の撤廃に伴う観光業の回復、電気・電子機器を中心とする堅調な輸出がけん引した。今後は、外需の鈍化で経済回復のペースが鈍化する見込み。

[日本] 内閣府によると、2022年第3四半期の実質GDP成長率は前期比▲0.3%(年率換算▲1.2%)だった。寄与度をみると、内需が+0.4pt、外需が▲0.7ptであり、外需がマイナス成長の主因だった。個人消費は前期比+0.3%と4四半期連続プラスだったものの前期から減速、民間企業設備投資は+1.5%と前期から減速したもののプラス成長を維持した。輸出は+1.9%となり、4四半期連続で増加した一方、サービス輸入が+17.1%と大幅に増加したことを受けて輸入は+5.2%と増加した。

[中国] 11月11日、政府は「新型コロナ感染症に対する対応方法の調整」に、「感染源が不明などの場合を除き、行政区域ごとの住民全員のPCR検査は実施しない」と公表した。福州市、合肥市、上海市などでは、11月14日から地域住民全員の検査を停止もしくは一時的に停止、石家庄市では、14日以降公共交通機関を除き、公共の場所の出入りも陰性証明の提示が不要となり、街頭のPCR検査サンプル採取場もほぼ撤去されたとの報道がある。北京市では、場合により24時間内に取得した陰性証明が必要だが、PCR検査サンプル採取場の多くが閉鎖され、「検査難民」が発生しているという。地域による対応の相違、混乱がみられるもよう。

[米国/中国] 11月14日、インドネシア・バリ島で、バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が会談を行った。バイデン氏の大統領就任後、両者が対面で会談を行うのは初めて。開催前から、会談が両国関係の改善につながることはないとみられていたが、低い期待値の中でも、衝突回避とコミュニケーションの継続という最低限の合意を得ることはできた。ブリンケン米国務長官の訪中(時期未定)や、中国側の公式発表ではないが、「ウクライナでの核兵器使用反対」で両首脳が一致したとしている。

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