デイリー・アップデート

2022年11月30日 (水)

[タイ] 11月28日、商務省は10月の貿易統計を発表した。10月の輸出額は、前年同月比▲4.4%の217億7,240万ドルとなり、20か月ぶりに前年同月を下回った。世界的な金融政策の引き締めで輸出先国での消費者購買力が低下し、タイの輸出額を押し下げた。最大の輸出先である米国向けが同+0.9%の35億600万ドルだった一方、中国、日本、EU、ASEAN向けの伸びはマイナスだった。10月の輸入額は同▲2.1%の223億6,880万ドル。貿易収支は5億9,640万ドルの赤字だった。

[日本] 経済産業省によると、10月の鉱工業生産指数は前月比▲2.6%となり、2か月連続のマイナスとなった。15業種中、8業種が減産、7業種が増産だった。半導体製造装置などを含む生産用機械工業や電子部品・デバイス工業、化学工業などが減産となった一方で、自動車工業や汎用・業務用機械工業、石油・石炭製品工業などが増産した。基調判断は9月から下方修正されて、「緩やかに持ち直しているものの、一部に弱さがみられる」となった。

[米/ロ] 米ロ間で核兵器を減らすことを定めた「新戦略兵器削減条約(新START)」に基づく二国間協議の実施が延期されることになった。協議は11月29日にエジプトのカイロで予定されていたが、ロシア側がこれを延期した。その背景については「ウクライナ軍事侵攻に対する米国の立場がある」とロシア外務省高官が説明した。協議が再開されるかどうかが今後の焦点となる。

[中国] 11月29日、国務院新型コロナウイルス肺炎感染症対策共同予防・抑制メカニズム総合チームは、「高齢者新型コロナウイルスワクチン接種業務強化法案」を発表した。60歳以上の高齢者、特に80歳以上のワクチン接種を加速するとしており、高齢者施設や居民委員会関係者らに、高齢者の接種率を上げるよう対応することを求める内容となっている。また、ワクチン接種について高齢者にも分かりやすい宣伝を作成し、高齢者が好む媒体での宣伝強化を行うなどの政策も示されている。

[ブラジル] ボルソナロ大統領は、10月30日実施の大統領選挙決選投票での敗北をいまだに認めておらず、11月22日には、一部が誤作動したとされる電子投票の票数を無効とするようブラジル高等選挙裁判所(TSE)に対して異議申し立てを行っていたが、23日にTSEは訴えを却下した。他方、ルーラ次期大統領は、ブラジル国会との歳出プランの協議や財務長官人事等の組閣に着手しており、2023年1月1日の大統領就任に向けた動きを本格化させている。

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