デイリー・アップデート

2022年11月10日 (木)

[インドネシア] ユーラシアグループによると、予算超過で延期されていたジャカルタ-バンドン高速鉄道(KCJB)への追加資金がまもなく議会で承認される見通しという。KCJBは、中国の「一帯一路構想(BRI)」のプロジェクトの一つで、ASEAN初の高速鉄道となる。必要な追加資金は推計14億5,000万ドル。インドネシアが株式と債務の組み合わせで60%、中国が40%を負担する見込み。KCJBは中国の役割拡大を象徴しているが、中国への過度の依存を避けるために、日本や民間部門を含む資金源の多様化を模索している。

[ナイジェリア] 2023年2月に大統領選を控え、経済は債務、インフレ、通貨減価に苦しんでおり、治安面もジハード主義者の反乱などで悪化している。また、インフラ老朽化による原油生産量の減少もあって経済成長の鈍化が見込まれており、次期政権は難しいかじ取りを迫られそうだ。

[ロシア/ウクライナ] 11月9日、ロシアのショイグ国防相は、ウクライナ軍が攻勢を強めている同国南部ヘルソン州を流れるドニプロ川の西岸からのロシア軍の撤退を命じた。西岸には州都ヘルソンがあり、ロシア軍がウクライナ侵攻直後の今年3月から掌握していた戦略的な要衝である同地からの撤退となれば、戦況は重大な局面を迎えることになりそうだ。

[中国] 中国では、市民が公共の重点施設や病院、ホテル、観光スポットなどに立ち入る場合など多くの生活シーンで、所定時間内に取得したPCR検査の陰性証明の提示が必要だが、「財新網」は、貴州省貴陽市、湖南省岳陽市など多くの地域が10月31日で政府による無料検査をやめ、以降は個人負担としたこと(11月3日付)、PCR検査機関が地方政府から検査料の支払いを受けられないため、帳簿上は黒字でも手持ちのキャッシュが不足し、検査の受け入れ停止や給与の未払いが発生していること(11月9日付)などを報じた。地方政府の財政がひっ迫しているもよう。

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