デイリー・アップデート

2023年6月6日 (火)

[米国/ウクライナ] ウクライナのマルカロワ駐米大使は、6月4日に放映された米CBS Newsの日曜政治討論番組にゲスト出演し、ウクライナが反転攻勢を開始しようとする中、米国主導の対ウクライナ軍事支援の継続の必要性を訴えた。米国は総額450億ドルの対ウクライナ支援を約束してきたが、2023会計年度が終了する今年9月末で対ウクライナ支援の資金供与は終了する予定。新たな支援が必要とされるが、2023年は米国で大統領選挙が実施されるため、ウクライナ支援への政治圧力が高まる状況にあるとみられる。

[バングラデシュ] 5月30日、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、バングラデシュの長期外貨建て債務格付けを「B1」と、従来の「Ba3」から1段階引き下げた。2010年の格付け開始以来、初めての引き下げとなった。2010~2022年は「Ba3」を維持していた。同国の外貨準備高が急減していることなどが引き下げの主な理由となっており、格付け見通しは「安定的」としている。「B1」は投資適格級を4段階下回る水準。

[日本] 厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、4月の現金給与総額(名目賃金)は前年比+1.0%となり、16か月連続のプラスになった。ただし、3月の+1.3%からやや縮小した。内訳をみると、所定内給与(基本給)が+1.1%と上昇、3月(+0.5%)から上昇率がやや拡大した一方で、所定外給与(残業代)は▲0.3%と減少に転じた。所定外労働時間(残業時間)が▲1.9%と減少した影響が出た。また、物価変動を調整した実質賃金は▲3.0%と13か月連続のマイナスになった。

[ロシア/ウクライナ] 6月5日、ウクライナのマリャル国防次官は、ウクライナが反転攻勢を開始したとのロシア側の発表は「ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムト周辺でのロシアの敗北から注意をそらすため」と述べた。ウクライナ軍がバフムトから約3キロメートル北西にある村の一部をロシアから奪還したようである。ウクライナ軍は5月前半から、ロシア軍の拠点破壊や同軍の戦力分散などを目的とする「シェーピング作戦」の準備に入っている。

[米国] 6月5日、ハリス副大統領はバンガ世界銀行総裁と会談し、気候変動やパンデミック等のグローバル課題に対して世銀が積極的に取り組む方針であることをバイデン政権として歓迎、支援すると表明した。バンガ総裁は米マスターカード社の元CEOで、6月2日に就任した(任期5年、再任可)。前総裁は気候変動への対応不十分との批判もあり、任期満了前に退任している。ハリス副大統領は、8日にカリブ海諸国首脳との会談にも臨む予定。イエレン財務長官も総裁就任直前のバンガ氏と会談した際、貧困国支援の重要性を強調した。バイデン政権は新興国、途上国への関与を重視する経済外交を展開しており、世銀等との連携は重要な課題となる。

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