デイリー・アップデート

2023年6月27日 (火)

[ロシア] 6月26日夜、プーチン大統領は、再び国民に向けて演説し、民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏による武装反乱を激しく非難する一方、ワグネルの戦闘員たちに対しては兵士として国防省との契約を結ぶ選択肢を示すとともに、同盟関係にある隣国ベラルーシに行けば安全を保証すると表明した。一方、プリゴジン氏は6月26日、「我々は政権の転覆は望んでいない」との音声メッセージを通信アプリに投稿した。発信場所は明らかになっていない。

[イスラエル/パレスチナ] 6月26日、イスラエル国防省はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地に5,700戸の住宅建設を進める計画を発表した。イスラエルが1967年から占領を続けるヨルダン川西岸における入植地建設は国際法違反とされているが、イスラエル政府は国際社会からの批判を浴びながらも入植地建設を進めており、同地に住むパレスチナ人との衝突が激化している。米国務省報道官は、今回の発表に「深い憂慮」を表明し、入植地建設に明確に反対する米政府の立場を強調した。

[アルゼンチン] 6月23日、与党連合「祖国のための連合(HU)」は、統一大統領候補として正義党のマサ経済相を擁立することを決定し、前日6月22日に出馬表明したデ・ペドロ内相は立候補を撤回した。アルゼンチンは3桁のインフレ、先行き不透明な経済、変革を求める根強い世論に直面しており、与党連合は今年秋に実施される大統領選挙での政権維持に向けて、厳しい政治・経済状況下に置かれている。与党の大統領予備選挙は8月13日、大統領選挙第1回投票は10月22日に予定されている。

[パキスタン] 6月22日、パキスタン国立銀行(中央銀行/SBP)は、臨時で金融政策決定会合を開催し、政策金利を100bps引き上げ22%とした。利上げは2021年10月から始まり、合計1,500bps引き上げられている。政府はIMFからの融資を得るために、要請に従いインフレを抑制する目的で、今後1年間は政策金利を高水準に維持する必要があると言及している。SBPは、6月12日に開催された同会合では金利を据え置いていたが、その際、引き締めサイクルの終焉を意図するものではないと言及していた。

[ペルー] エルニーニョの発生が、同国の経済成長率低下や財政圧迫につながる可能性がでてきた。エルニーニョと脆弱な政治情勢が混在することは、ボルアルテ政権にとって重要な試練となるとみられ、金融政策の緩和への転換が遅れることや、財政赤字が目標のGDP比2.4%から3.0%の範囲を超えてくることが懸念されている。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

20人が「いいね!」と言っています。
<  2023年6月  >
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30