デイリー・アップデート

2023年6月15日 (木)

[米国] 米連邦準備制度理事会(FRB)は、6月14日まで米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利の誘導目標レンジを5.0~5.25%に据え置くことを決定した。2022年3月の利上げ開始から2023年5月まで、10会合連続で利上げを実施しており、今回の利上げ局面で一旦据え置きとなった。今回の利上げ見送りは、利上げペースを減速させるプロセスの一環とされ、次回7月の利上げについては、経済データ次第で判断される。また、FOMC参加者の見通しでは、2023年末まで0.5%分の利上げがありうると、3月の時点の見通しから上方修正された。

[米国/イラン] 6月14日、米国・イラン交渉が進んでいることを米メディアが報道した。イランに収監されている米国民の釈放や、イランのウラン濃縮作業停止などと引き換えに、米国はさらなる制裁強化を控え、イランの在外凍結資産へのアクセスを緩和することなどが協議されているもよう。米バイデン政権側はあくまで非公式な政治合意を望んでいると伝えられ、米ニューヨークタイムズ紙の取材に協力したイスラエル政府関係者は、合意間近と述べた。報道内容が事実であれば、2024年大統領選を控え、バイデン政権がイラン宥和を図っていると政権野党・共和党側が非難のトーンを高めることは必至とみられる。

[NATO] 7月11日、12日の両日、リトアニアの首都ビリニュスで、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開催されるが、主要議題の1つが、将来のウクライナのNATO加盟を受けてのロードマップの策定である。米英仏独の4か国はウクライナに対して、NATO加盟の約束を行うことと引き換えに、現行の水準の対ウクライナ軍事・財政面支援を規定した多国間枠組み協定を締結する方向で現在協議が行われていることが明らかになった。

[中国] 6月15日、中国国家統計局は、5月の主要経済指標を発表し、景気回復ペースが鈍化していることが明らかになった。5月の小売売上高は、前年同月比+12.7%と2桁台を維持したものの、前月の同+18.4%から鈍化した。鉱工業生産も、前年同月比+3.5%と前月の同+5.6%から鈍化した。1~5月の固定資産投資は、前年同期比+4.0%と、1~4月の同+4.7%から減速した。うち、不動産投資が1~4月の▲6.2%からさらに落ち込み、同▲7.2%となった。

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