デイリー・アップデート

2023年6月20日 (火)

[アルゼンチン] 鉱山当局によると、アルゼンチンのリチウム産業の5月の輸出額が、前年同月比+17%の6,000万ドルに達し、過去最高を記録した。2023年の累計では、前年同期比+84%と大幅な増加となっているが、開発中のプロジェクトも多く、今後の生産への期待も高まっている。

[台湾/インド] 6月17日、ホンハイ(Foxconn、台湾鴻海精密工業)は、インドでEV生産工場を設立する計画を発表した。同社は米国で他社の工場を買収し、FISKER Automotive(25万台/年)やINDI EV(試作車)より、EVの生産を受託している。タイでは国営石油公社(PTT)と合弁でHorizon Plusを設立し、2024年より5万台/年の生産をスタート、2030年には15万台/年に引き上げる計画となっている。この度のインド進出計画により、2030年にEV世界生産台数シェアの5%を狙う。

[UAE/カタール] 6月19日、UAE/カタール両政府は声明で、両国に6年ぶりに大使館・領事館を再開し、外交関係を正常化することを発表した。両国の外相は電話会談を行い、双方の外交施設の再開を歓迎した。両国関係は、2017年にUAEがサウジアラビアなどとともに、カタールに対する経済封鎖を発表する形で断絶となっていた。その後2021年に、サウジアラビアのアル・ウラーでの合意で公式には問題は解決したと発表されたが、UAEとカタールの間では二国間問題に関する交渉が継続していた。

[米国/中国] 6月19日、中国での日程をこなしたブリンケン国務長官は記者会見に臨み、今回の訪中を総括した。米国が対中デカップリング、あるいは対中経済包囲網の構築を図っているとの批判について問われ、同国務長官は、米中デカップリングは双方の利益にならず、米国が志向するのはあくまでデリスキング(de-risking)であると発言し、通商関係、サプライチェーンの多元化を図ることでリスク管理を進めようとしているに過ぎないとして、米半導体法や一連の輸出管理などを正当化した。

[米国] 7月11日～12日の両日、リトアニアで北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開催されるが、6月13日、ストルテンベルグNATO事務総長は、NATO首脳会議の準備のためにホワイトハウスでバイデン大統領と会談を行った。NATO首脳会議では、スウェーデンのNATO加盟申請についても協議される予定だが、トルコとともにハンガリーが加盟申請に反対しており、米議会上院外交委員会の少数党筆頭理事のリッシュ上院議員(共和党)が、米国の対ハンガリー武器供与に反対を表明した。

[ロシア] 6月19日、ロシア財務省は事実上のタックスヘイブン(租税回避地)と認定する国・地域に、EUや米国、日本などを加え、合計91か国・地域が租税回避地のリストに含まれることとなった。今回の認定は、EUが2023年2月にロシアを租税回避地認定したことに対する、ロシアからの報復措置だと思われる。ロシアは次の報復措置として、欧米や日本などと結んでいる二重課税防止条約の停止も視野に入れていると思われる。

[中国/台湾] 6月17日、中国が主催する両岸交流イベントの第15回「海峡フォーラム」が福建省アモイ市で開催され、中国共産党政治局常務委員の王滬寧・政治協商会議主席が習近平総書記の祝辞を代読した。台湾からは国民党の夏立言副主席や台湾民衆党の張凱鈞委員などが出席した。メッセージは両岸の広範な交流と統一を台湾の人々に呼び掛ける宥和的な内容だった。一方、台湾の行政院大陸委員会は、王滬寧氏が提示した福建省を「台湾の中国への経済統合」のモデル区域にする計画を拒否し、中国のプロパガンダだとコメントした。

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