デイリー・アップデート

2023年6月8日 (木)

[パキスタン] 同国統計局によると、5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+38.0%となり、伸びが4月の同+36.4%を上回った。1~5月では前年同期比+33.8%だった。2022年後半以降、外貨準備の激減と通貨安により輸入が大幅に制限され、コストプッシュインフレに拍車がかかっている。今後、世界的に資源価格が落ち着き、2023/24会計年度(2023年7~2024年6月)の予算が議会の可決を経て、中断されているIMFプログラムが再開され、通貨安を持ち直すことができればCPIの上昇率は鈍化していくことが期待される。

[日本] 『国際収支統計』(財務省・日本銀行)によると、4月の経常収支は1兆8,951億円となり、前年同月から8,199億円増加した。貿易収支が▲1,131億円、サービス収支が▲6,465億円と、赤字が継続したものの、前年月から赤字幅を縮小させた影響が大きかった。サービス収支では輸送収支の赤字額減少、旅行収支の黒字額の増加が目立った。また、第一次所得収支は3兆663億円と、証券投資収益の増加などから、前年同月の2兆9,742億円から黒字を拡大した。

[米国/インド] 6月13日にサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が訪印予定との一部報道があった。6月22日にインドのモディ首相が国賓として米国を訪れる予定であるため、その準備協議とみられる。米国のオースティン国防長官も、6月4日~5日とインドを訪れ、国防相、安全保障担当補佐官と会談し、米印両国の安保協力強化について協議を行った。訪印を終えた同国防長官は記者会見で、米印関係は今世紀で最も重要な関係の一つと述べ、軍事協力、最先端軍事技術の開発、実装に向けた官民連携など、訪印の成果を強調した。一方モディ首相は訪米時、米上下両院合同議会で演説を行う予定になっている。

[米国] 共和党有力政治家が、同党の大統領候補指名獲得争いに出馬する動きが相次いでおり、ペンス前副大統領は6月5日に、また、ニュージャージー州のクリスティ元知事は翌6月6日に、出馬手続きに必要となる文書を米連邦選挙委員会(FEC)にそれぞれ提出した。共和党大統領候補指名獲得争いに出馬した候補は合計10人となり、乱立模様となりつつあるが、反トランプ票が分散してトランプ前大統領が優位になるとの見方も浮上してきている。

[中国] 6月7日、半導体メーカーSTマイクロエレクトロニクス(ST Microelectronics NV、本社:スイス)は、中国の化合物半導体大手の三安光電股分有限公司(湖北省荊州市)と重慶市に合弁会社を設立すると発表した。32億米ドルを投じ、炭化ケイ素半導体を生産する。資金は、STマイクロ、三安からの投入に加え、重慶市政府からの支援や、外部からの融資でまかなう。出資比率は三安が51%、STマイクロが49%で、2025年第4四半期に生産開始、2028年にフル稼働を目指すもよう。

[サウジアラビア/イラン] 6月6日、サウジアラビアの首都リヤドにおいてイラン大使館が正式に再開した。サウジ国内でイランの外交施設が再開するのは、2016年1月にサウジとイランの国交が断絶して以来7年ぶり。2023年3月に中国の仲介でサウジ・イラン両政府が国交回復に合意して以降、両国の関係回復は着々と進んでいる。翌6月7日には、ジェッダでイラン総領事館と、イスラム協力機構(OIC)のイラン政府代表部も再開した。イランにおけるサウジの外交施設も、近日中に再開するとみられている。

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