デイリー・アップデート

2023年6月19日 (月)

[タイ] 中央銀行による政策金利の引き上げにより、住宅購入が減速しており、今後さらに減速することが懸念されている。タイ政府住宅銀行(GHB)傘下の不動産情報センター(REIC)は、2023年の住宅譲渡戸数が前年比▲19%、譲渡額が同▲14%に落ち込むと予測している。利上げは、特に変動金利でローンを組む中低所得者の住宅購入に影響が出るとみられる。

[ロシア] 「ロシア版ダボス会議」とも呼ばれる国内最大級の経済イベント、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)が6月17日に閉幕した。主催者によると、会期中に900件、総額4兆億ルーブル(約6兆8,000億円)相当のMOUが締結されたもよう。6月16日にプーチン大統領も演説し、ウクライナ軍事侵攻の影響を差し引いても経済がプラス成長に転じたと強調した。撤退した外資企業のロシア市場への再進出について、「扉を閉めていない」とも表明した。

[サウジアラビア/イラン] 6月17日、サウジアラビアのファイサル外相がイランを訪問し、イランのライーシ大統領やアブドラヒヤン外相などとの会談を実施した。サウジの外相がイランを訪問するのは、2016年にサウジがイランと国交を断絶して以降初めて。ファイサル外相は、サウジのサルマン国王からの招待状をライーシ大統領に手渡したとされる。両国は7年間の国交断絶期間を経て、2023年3月に中国の仲介で国交回復に合意し、4月には北京で外相会談を実施。6月には駐サウジ・イラン大使館が再開した。

[米国/中国] 6月18日、ブリンケン国務長官は中国を訪問し、秦剛外交部長と会談を行った。米国務長官による訪中は2018年以来のことで、バイデン政権下では閣僚による初の訪中となる。報道によれば、両国外相による会談は計7.5時間にも及び、双方が懸念事項と潜在的な協力案件を提起し合った。中国側は特に台湾問題を強調したとみられる。米国政府関係者による事前ブリーフィングでは、米中が率直に意見を交わし、対話チャンネルを確保すること自体が大切な成果と述べ、過度な期待を戒めていた。11月に米国で開催されるAPEC首脳会談への習近平国家主席の参加に向け、米中外交当局は環境整備に入ったものと観測される。

[米国] バイデン大統領は、2024年大統領選挙への正式な再出馬表明を4月25日に行ってから1か月半以上が経過した6月17日、東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで、再出馬表明後初の政治集会に参加し、再選キャンペーンを本格化させた。党内から再選を脅かすようなほかの候補者などからの重大な挑戦はなく、再選キャンペーンの展開は、民主党全国委員会(DNC)に大きく依存しており、政治資金調達の活性化等が今後の課題として指摘されている。

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