デイリー・アップデート

2023年6月22日 (木)

[アルゼンチン] 10月22日に大統領選挙第1回投票及び連邦議会選挙等が実施されるが、同国の経済は3桁のインフレ等に伴う経済危機や農業セクターへの打撃をもたらしている干ばつに見舞われている。与党連合「全国民のための戦線」の苦戦が予想されていたが、野党連合「変革のために共に」も内部分裂に直面し、与党連合、野党連合ともに有権者の信任を失いつつある。いずれの政治勢力が政権を担っても有権者の限られた信認しか受けられないまま政権を始動させざるを得ない可能性がある。

[アジア] スイスのビジネススクール国際経営開発研究所(IMD)が発表した2023年版「世界競争力ランキング(World Competitiveness Ranking 2023)」によると、アジアでのトップはシンガポールの世界4位だった。全体での首位は2年連続でデンマーク。その他アジアでトップ10入りしたのは、台湾(6位)と香港(7位)。マレーシア(27位)、タイ(30位)、インドネシア(34位)のASEAN3カ国が2022年よりも順位を上げた一方、中国(21位)、韓国(28位)、日本(35位)、インド(40位)、フィリピン(52位)、モンゴル(62位)は順位を落とした。

[南アフリカ] 南アフリカの5月のインフレ率は前年同月比6.3%と、4月の同6.8%から減速した。早ければ6月にも中央銀行の目標値である3?6%へ収束する可能性がでてきたことになり、インフレの減速が持続すれば、金融引き締めの必要性も減少してくる。

[中国] 6月21日、国務院は「新エネルギー車産業の質の高い発展促進の定例ブリーフィング」を開催し、財政部の許宏才副部長が、「新エネルギー車の車両取得税の免除政策を2027年末まで延長する」と発表した。この取得税免除政策は、2014年から継続しており、2023年末までの継続が決まっていたが、それがさらに延長されることとなった。2022年末時点の免除総額は日本円換算で4兆円近くに達した。一方、新エネルギー車購入に対する補助金は2022年末に終了している。

[モロッコ/イスラエル] 7月にモロッコで予定されていたネゲブ・フォーラムの第2回外相会合が、イスラエル政府によるヨルダン川西岸での入植地拡大政策を受けて中止となった。同フォーラムは、米国、イスラエルと、イスラエルと国交を正常化したアラブ諸国の間で2022年3月に始まった地域枠組みで、当初は今年3月に開催が予定されていたが、右派色の強いネタニヤフ政権に対する不快感やパレスチナでの武力衝突などから延期されてきた。ネタニヤフ政権の厳しい対パレスチナ政策が、イスラエルとアラブ諸国との関係に悪影響を与えている。

[ロシア/ウズベキスタン] 6月19日、ウズベキスタンはロシアのエネルギー大手ガスプロム(Gazprom)との間で、同国産天然ガスを購入する2年契約を結んだと発表した。ウズベキスタンのエネルギー省によると、今年10月1日から年間28億立方メートルを購入する。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて西側が対ロシア制裁を導入したのを受け、ロシア産天然ガスの欧州向け輸出は大幅に減少。ロシアとしては、中央アジア諸国に輸出をシフトすることを目指している。

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