2024年10月18日 (金)
[ユーロ圏] 欧州中央銀行(ECB)は10月17日の理事会で、政策金利を0.25%pt引き下げることを決定した。引き下げは9月に続いて2会合連続となった。中銀預金金利は3.25%、主要政策金利は3.40%、限界貸出金利は3.65%になった。直近の経済指標から、物価上昇率の低下が順調に推移していることを確認したため、利下げを決定した。ラガルドECB総裁は、減速懸念が強まるユーロ圏経済について、「景気後退には向かっていない。軟着陸をなお予想している」と述べた。市場では次回12月理事会でも利下げが実施されるという見方が広がっている。
[ケニア] 10月17日、リガティ・ガチャグア副大統領の解任を求める弾劾決議が、上院で賛成多数で可決された。憲法違反、汚職など11の罪状で解任を求められていた同氏は疑惑を否定し続け、「政治的リンチだ」と非難していたが、投票当日に体調不良で入院し、同氏不在のまま投票が進められた。憲法上、14日以内にルト大統領が新副大統領を指名し、60日以内に下院議会での承認が必要となる。次期副大統領候補は、ルト氏が厚い信頼を寄せるとされるキトゥレ・キンディキ内相、ムサリア・ムダバディ内閣筆頭長官兼外相のほか、女性のアン・ワイグル郡知事らが有力とみられる。
[モルドバ] 10月20日、東欧の旧ソ連構成国モルドバで、大統領選と欧州連合(EU)加盟の賛否を問う国民投票が同時に実施される。最新世論調査では、国民の約4割がEU加盟の方針を支持しているもようだが、ロシア系住民や親ロシアの有権者も少なくないため、結果は予断を許さない。一方、大統領選挙では、現職の親欧米派のサンドゥ大統領が3割前後の支持率でリードし、選挙は投票一回で決着がつかず、決戦投票にずれ込む可能性が高いと思われる。
[ユーロ圏] 欧州中央銀行(ECB)は10月17日の理事会で、政策金利を0.25%pt引き下げることを決定した。引き下げは9月に続いて2会合連続となった。中銀預金金利は3.25%、主要政策金利は3.40%、限界貸出金利は3.65%になった。直近の経済指標から、物価上昇率の低下が順調に推移していることを確認したため、利下げを決定した。ラガルドECB総裁は、減速懸念が強まるユーロ圏経済について、「景気後退には向かっていない。軟着陸をなお予想している」と述べた。市場では次回12月理事会でも利下げが実施されるという見方が広がっている。
[ケニア] 10月17日、リガティ・ガチャグア副大統領の解任を求める弾劾決議が、上院で賛成多数で可決された。憲法違反、汚職など11の罪状で解任を求められていた同氏は疑惑を否定し続け、「政治的リンチだ」と非難していたが、投票当日に体調不良で入院し、同氏不在のまま投票が進められた。憲法上、14日以内にルト大統領が新副大統領を指名し、60日以内に下院議会での承認が必要となる。次期副大統領候補は、ルト氏が厚い信頼を寄せるとされるキトゥレ・キンディキ内相、ムサリア・ムダバディ内閣筆頭長官兼外相のほか、女性のアン・ワイグル郡知事らが有力とみられる。
[中国] 10月18日、国家統計局が発表した第3四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比+4.6%と第2四半期の+4.7%から減速した。1~9月期の成長率は前年同期比+4.8%となり、政府の通年目標である5%前後の達成は厳しい状況との見方が広がっている。同日発表の1~9月期の固定資産投資は、前年同期比+3.4%、うち不動産開発投資額は▲10.1%となり、引き続き不振が続いている。9月の小売売上高は前年同月比+3.2%、鉱工業生産は+5.4%だった。
[スイス] スイス時計協会によるとスイスの時計関連製品の9月の輸出額は前年同月比で12.4%減少の約19億スイスフラン(約22億ドル)となり、香港を含む中国向けの出荷が半減した影響であることを明らかにした。パンデミック後の景気回復のあと、高級腕時計が世界中で買い控えられている中、スイスの時計メーカーは依然として厳しい状況に置かれていることが浮き彫りになった。同協会と時計労働者を代表する団体は9月、需要の大幅な減少がスイスの時計ブランドに打撃を与え、雇用を危険にさらしていると警告しており、スイス国立銀行に対し、強いフランを弱める措置を取るよう求めている。いくつかの大手ブランドは受注の減少に伴い、政府支援の「短時間」労働プログラムを利用して従業員を一時解雇している。また、部品のサプライヤーは苦戦が目立ち、企業は夏季休暇を延長したり、従業員に短時間労働となる一時帰休を課したりするなどで対応している。
[スイス] スイス時計協会によるとスイスの時計関連製品の9月の輸出額は前年同月比で12.4%減少の約19億スイスフラン(約22億ドル)となり、香港を含む中国向けの出荷が半減した影響であることを明らかにした。パンデミック後の景気回復のあと、高級腕時計が世界中で買い控えられている中、スイスの時計メーカーは依然として厳しい状況に置かれていることが浮き彫りになった。同協会と時計労働者を代表する団体は9月、需要の大幅な減少がスイスの時計ブランドに打撃を与え、雇用を危険にさらしていると警告しており、スイス国立銀行に対し、強いフランを弱める措置を取るよう求めている。いくつかの大手ブランドは受注の減少に伴い、政府支援の「短時間」労働プログラムを利用して従業員を一時解雇している。また、部品のサプライヤーは苦戦が目立ち、企業は夏季休暇を延長したり、従業員に短時間労働となる一時帰休を課したりするなどで対応している。
[中国] 10月18日、国家統計局が発表した第3四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比+4.6%と第2四半期の+4.7%から減速した。1~9月期の成長率は前年同期比+4.8%となり、政府の通年目標である5%前後の達成は厳しい状況との見方が広がっている。同日発表の1~9月期の固定資産投資は、前年同期比+3.4%、うち不動産開発投資額は▲10.1%となり、引き続き不振が続いている。9月の小売売上高は前年同月比+3.2%、鉱工業生産は+5.4%だった。
[米国] 最近、民主党のティム・ウォルツ副大統領候補は、合計538人の大統領選挙人の獲得数ではなく、一般投票獲得数で次期大統領は決定されるべきとの議論を展開し始めている。大統領選挙の帰趨(きすう)を決する「激戦州」ではウィスコンシン州、ミシガン州でトランプ氏が勢いを増しつつあるとの各種最新世論調査結果が公表されており、ウォルツ氏の議論はハリス陣営の焦りを反映したものであるとも受け止められている。投票日まで約半月となる中、接戦が続いている。
[米国] 最近、民主党のティム・ウォルツ副大統領候補は、合計538人の大統領選挙人の獲得数ではなく、一般投票獲得数で次期大統領は決定されるべきとの議論を展開し始めている。大統領選挙の帰趨(きすう)を決する「激戦州」ではウィスコンシン州、ミシガン州でトランプ氏が勢いを増しつつあるとの各種最新世論調査結果が公表されており、ウォルツ氏の議論はハリス陣営の焦りを反映したものであるとも受け止められている。投票日まで約半月となる中、接戦が続いている。
[米国] 10月17日、イエレン財務長官はワシントン市内で講演し、バイデン政権による国際経済政策の成果を誇り、米国の繁栄は世界のそれと不可分であると述べた。そして、同盟国、競争相手の見境なく高関税を賦課して、米国を世界から途絶させるかのような政策は誤りであると断じた。米政府の閣僚は選挙支援活動に従事することは認められおらず、イエレン氏は共和党のトランプ候補を名指しで批判してはいないが、米大統領選を前に、バイデン政権の一員としてハリス副大統領を後押しする目的もあったとみられる。
[中国/英国] 10月18~19日、英国のデイビッド・ラミー外務・開発相が中国を訪問する。ラミー外相は英国外交を「進歩的現実主義」に基づいて行うべきだと主張しており、今回の訪中では経済関係に焦点が当てられる見通し。今回の訪中を成功させるため、英政府は英議会メンバーによる蔡英文・元台湾総統の訪英スケジュールを延期したと報じられている。金融、グリーンエコノミー、バイオ医学、人工知能などの分野での協力について中英間で話し合う経済・金融対話は、2019年6月以来開催されておらず、その再開についても議論されるとみられている。
[イスラエル/パレスチナ] イスラエル軍は、10月16日のガザ南部ラファハでの軍事作戦中にガザのイスラム主義組織ハマスの指導者ヤヒヤ・シンワル氏(61歳)を殺害したことを明らかにした。同氏は、2017年にハマスのガザ地区トップに、そして2024年7月にイランでハニーヤ政治局長が殺害されて以降はハマスを率いる指導者となっていた。ハリス米副大統領やマクロン仏大統領などは、同氏の死を「停戦を実現する良い機会」とするも、イスラエルのネタニヤフ首相は「戦争は継続する」との声明を発信した。ハマスは声明を出していない。
[中国/英国] 10月18~19日、英国のデイビッド・ラミー外務・開発相が中国を訪問する。ラミー外相は英国外交を「進歩的現実主義」に基づいて行うべきだと主張しており、今回の訪中では経済関係に焦点が当てられる見通し。今回の訪中を成功させるため、英政府は英議会メンバーによる蔡英文・元台湾総統の訪英スケジュールを延期したと報じられている。金融、グリーンエコノミー、バイオ医学、人工知能などの分野での協力について中英間で話し合う経済・金融対話は、2019年6月以来開催されておらず、その再開についても議論されるとみられている。
[イスラエル/パレスチナ] イスラエル軍は、10月16日のガザ南部ラファハでの軍事作戦中にガザのイスラム主義組織ハマスの指導者ヤヒヤ・シンワル氏(61歳)を殺害したことを明らかにした。同氏は、2017年にハマスのガザ地区トップに、そして2024年7月にイランでハニーヤ政治局長が殺害されて以降はハマスを率いる指導者となっていた。ハリス米副大統領やマクロン仏大統領などは、同氏の死を「停戦を実現する良い機会」とするも、イスラエルのネタニヤフ首相は「戦争は継続する」との声明を発信した。ハマスは声明を出していない。
[米国] 10月17日、イエレン財務長官はワシントン市内で講演し、バイデン政権による国際経済政策の成果を誇り、米国の繁栄は世界のそれと不可分であると述べた。そして、同盟国、競争相手の見境なく高関税を賦課して、米国を世界から途絶させるかのような政策は誤りであると断じた。米政府の閣僚は選挙支援活動に従事することは認められおらず、イエレン氏は共和党のトランプ候補を名指しで批判してはいないが、米大統領選を前に、バイデン政権の一員としてハリス副大統領を後押しする目的もあったとみられる。
[モルドバ] 10月20日、東欧の旧ソ連構成国モルドバで、大統領選と欧州連合(EU)加盟の賛否を問う国民投票が同時に実施される。最新世論調査では、国民の約4割がEU加盟の方針を支持しているもようだが、ロシア系住民や親ロシアの有権者も少なくないため、結果は予断を許さない。一方、大統領選挙では、現職の親欧米派のサンドゥ大統領が3割前後の支持率でリードし、選挙は投票一回で決着がつかず、決戦投票にずれ込む可能性が高いと思われる。
[EU] 10月17日に開催されたEUサミットで、イスラエル軍による国連レバノン暫定隊(UNIFIL)への攻撃が強く非難された。UNIFILへはイタリア、フランス、スペインなどEU加盟国が参加していることから、徐々にEUのイスラエル政府に対する姿勢に変化が表れている。
[EU] 10月17日に開催されたEUサミットで、イスラエル軍による国連レバノン暫定隊(UNIFIL)への攻撃が強く非難された。UNIFILへはイタリア、フランス、スペインなどEU加盟国が参加していることから、徐々にEUのイスラエル政府に対する姿勢に変化が表れている。
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