デイリー・アップデート

2024年10月22日 (火)

[コートジボワール] 10月18日、S&Pグローバルは自国通貨建ておよび外貨建て長期ソブリン債格付けを「BB-」から「BB」に引き上げた。同社は格上げの理由として、2023年8月に生産が開始された沖合のバレン油田の生産増加により2024年から2027年にかけて平均+6.6%の経済成長が見込まれること、また、原油輸出の増加とカカオ価格の上昇により対外不均衡が縮小する見通しであるためとした。今回の格上げによりコートジボワールの長期債の格付けは南アフリカ(BB-)を抜き、サブサハラ・アフリカ45か国中、ボツワナ(BBB+)、モーリシャス(BBB-)に次いで3番目に高い評価となった。

[米国] 金融市場では、大幅な利下げではなく、緩やかなペースが想定されている。ただし、今回の利下げ局面の最終的な到達点である中立金利について、明確なコンセンサスはまだ形成されていない。カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は21日、中立金利がこれまでよりも高いという認識を示した。シュミッド・カンザスシティー連銀総裁は、中立金利の不透明さを指摘した一方で、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁は3%前後という認識を示した。中立金利とみなされるFOMC参加者によるFF金利の見通しは、9月時点で2.4~3.9%まで分布していた。

[チリ] チリ中央銀行は2会合連続で政策金利を0.25bpt引き下げ、5.25%にすることを全会一致で可決した。また、経済が回復に苦戦する中、金利が中立水準まで低下し続けるとの見通しを示しており、12月の次回会合での利下げを示唆した。

[米国] 10月21日、選挙分析で定評のあるクック・ポリティカル・レポートは、ペンシルベニア州選出上院議員選挙について「民主党優位」から「接戦」に評価を変更した。民主党現職ケーシー上院議員は4選を目指しているが、共和党のマコーミック候補が追い上げている。クック・ポリティカル・レポートは、ミシガン州、ウィスコンシン州といった中西部主要州の上院議員選挙でも、「接戦」と最近評価を変更しており、共和党が改選後議席を純増させる可能性が浮上している。

[南アジア] 10月10日、世界銀行は「南アジア開発報告2024年10月版:女性、雇用、成長」(South Asia Development Update, October 2024: Women, Jobs, and Growth)を発表し、南アジア(アフガニスタンを除く)の実質GDP成長率が、2024年に前年比+6.4%となり、2024年4月時点での予測より0.4pt高い成長となる見通しを示した。これは、ブータン、インド、ネパール、パキスタン、スリランカで予想以上の成長が見られたためである。南アジアは再び、最も成長が速い新興市場および発展途上国(EMDE)地域となると予想されている。

[英国] 10月22日にリーブズ財務相が、ロシアの凍結資産の運用益を活用するウクライナ政府に対する22.6億ポンドの融資を発表した。7月のG7サミットで合意された総額500億ドルのパッケージのうち、英国分の拠出となる。

[インド/中国] 10月21日、インド外務省は記者会見を行い、インド東部ラダック国境沿いにおける中国との紛争について、中国側と協議の結果、国境沿いのパトロールに関して合意に達したと発表、ジャイシャンカル外相は中印双方の軍の「撤退(引き離し)プロセスが完了」したとして、状況は2020年6月に両軍が衝突する前の状況に戻ると発言した。BRICS首脳会合が開催される直前での発表であり、会合では習近平国家主席とモディ首相が久しぶりに会談を行うのではとみられている。中国側は、まだこの合意に関する発表を行っていない。

[ベトナム] 10月21日、国会がルオン・クオン共産党書記局常務をトー・ラム国家主席(共産党書記長と兼務していた)の後任に選出した。ラム氏は党書記長に専念する。クオン氏は5月にチュオン・ティ・マイ書記局常務(当時)が党規則違反により辞任したことを受け、その後任として軍政治総局長から書記局常務に就任していた。

[トルコ] 10月20日に、トルコの宗教家であるフェトフッラー・ギュレン師が亡命中の米国で亡くなった(享年83歳)。同氏は穏健イスラム主義運動の創設者で支持者も多く、2000年代にはエルドアン大統領の盟友であったが、2016年7月にトルコで発生したエルドアン氏に対するクーデター未遂事件を主導したのが同氏であるとして、エルドアン氏は米政府にギュレン師の送還を要請していた(同氏は1999年から米国在住)。米政府がエルドアン氏の要請を拒否し続けてきたため、この問題は両国間の懸念材料の一つであった。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

21人が「いいね!」と言っています。