デイリー・アップデート

2024年10月23日 (水)

[インド] 2023年4月に人口が14億人を超えたインドは、いまや中国を抜いて世界で最も人口の多い国だ。しかし、2023年時点でインド人女性が生涯に産む子供の数は約2人となっており、1992年の3.4人との比較では、はるかに低い数字となっている。地域によってはこの水準を下回っていることで危機感を露わにしている。アンドラプラデシュ州のナイドゥ首相は、同州の出生率が人口置換水準である2人に達していないため、「南インドは高齢化問題を目の当たりにしている」、「2人以上の子どもを産めば人口は増える」と強い警戒を示した。しかし、この発言は「彼には1人しか息子がいないし、その息子にも息子が1人いるだけで先見の明はない」と批判材料になってしまっている。

[国際通貨基金(IMF)] 10月22日、IMFは「世界経済見通し」を発表した。米国は個人消費の底堅さなどから2024年に+2.8%と前回7月から0.2pt上方修正された。ユーロ圏は+0.8%と、ドイツの苦境などから0.1ptの下方修正だった。日本は+0.3%と、一部自動車会社の品質不正問題などから0.4pt下方修正された。また、日本については、中期的に1.5%の中立水準まで政策金利が引き上げられることが前提条件とされていた。

[サブサハラ] 国際通貨基金(IMF)が10月22日に発表した「世界経済見通し」によると、サブサハラ・アフリカの2024年の実質GDP成長率は+3.6%で、前回4月の予測から0.1pt下方修正された。その理由としてIMFは、南スーダンが隣国スーダンでの内戦の影響により経済成長率が▲26%となる見込みであること、また、域内第二の経済規模を有するナイジェリアの前期の経済成長が予測を下回ったためとしている。他方で、2025年のサブサハラの経済成長率は+4.2%と前回より0.1pt上方修正され、新興国平均の+4.2%に追い付くと予測している。

[米国] 10月22日、ハリス副大統領はNBC Newsの単独取材に応じ、米国大統領選挙の開票作業が行われている中で、4年前の2020年米国大統領選挙同様にトランプ前大統領が勝利宣言を行った場合のハリス陣営の対応について質問を受け、ハリス陣営としては既に準備を行っており、同陣営にはリソースと専門的技術があるとの見解を示した。トランプ氏は今回の大統領選において彼に対する不正が行われているとして、不正を上回る大差での勝利となるようにトランプ支持者に訴えている。

[韓国/北朝鮮/ウクライナ] 北朝鮮が約1,500人の兵士をロシアに派遣したことについて、10月22日、韓国の国家安全保障会議(NSC)は緊急の常任委員会議を開催した。会議後の記者会見で、韓国政府は北朝鮮の軍人の即時撤退を呼びかけると同時に、ウクライナに対する防衛的兵器の提供について検討を行い、最終的には攻撃的兵器の提供の可能性もあると説明した。また米国や日本、豪州、EUなどの同盟国・パートナー国と協力して対応するとしたほか、尹錫悦大統領はNATOのルッテ事務総長と電話会談を行い、韓国政府代表団を近日中にNATOに派遣する意向を示した。

[米国/イスラエル] 10月22日、米国のブリンケン国務長官が中東諸国歴訪の1か国目としてイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相やガラント国防相などと会談を行った。10月16日にイスラエル軍がハマスのリーダーであるシンワル氏をガザで殺害したことを機に、イスラエルに対し、ガザに捕らえられている人質の解放と、ガザでの停戦に繋げるための交渉再開を促すことが目的である。ガザへの人道支援物資の搬入を促進しパレスチナ人の窮状を和らげることの重要性と、イスラエル・ヒズボラ間の紛争に関する外交的解決の必要性についても協議した。

[米国] 10月22日、国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会の開催に際して、イエレン財務長官が記者会見に臨み、ロシアの軍需産業に支援を行う者に対する新たな制裁措置について、翌週には発表できる見込みであることを明らかにした。また、ロシアの在外凍結資産の運用益をウクライナ支援に充てることについても、具体的な議論をG7諸国間で詰めており、500億ドルのローンという形でウクライナに提供することを発表する予定。米国は200億ドルを提供するとみられている。

[ロシア] 10月22日、主要新興国で構成するBRICS首脳会議が、ロシア中部カザンで開幕した。初日は、非公式夕食会が実施され、議長のプーチン大統領は、加盟国やパートナー国首脳らと、それぞれ二国間会談を行った。23日からは首脳会議や拡大会合も実施し、BRICSとして「カザン宣言」を採択し、西側諸国の対ロ制裁を「一方的な強制措置への懸念」という認識で一致させる見通しである。

[EU] 10月22日の欧州議会本会議投票で、ロシア中央銀行の凍結資産の運用益を活用する対ウクライナ支援に対する投票が行われた結果、賛成518、反対56、棄権61で可決された。2024年末/2025年初頭にウクライナへ融資が開始され、少なくとも2025年末まで支給される予定。

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